ゼロの視点
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ここ数日、昨日までロンドン&パリにいたH氏がくれた本を読んでいる。『犯罪地獄変』(犯罪地獄変編集部・水声社・1400円)は、妙にはまる本だ。久しぶりの日本語の本というだけでも、嬉しいものだが、この文章が実にリズムがあって、笑えるのだ。
これだけ私のツボにはまる本を、みやげとして選んでくれたH氏には感謝感激。さすが、大学時代に、膨大な時間を無駄に費やしてきた仲間だっ!!、と思ってしまった(笑)。この本をロンドンのライブハウスでもらった時も、いとこI嬢が、「さすが、H氏、ゼロの趣味のよーーーく知ってるねえ」って言っていたほど。
恐らく、この編集部の人たちは、私と同世代の人達。文章の合間に挟み込まれる時代の皮肉なとらえ方が、面白い。この本が実際何部売れたのかは全く知らないが、書いてる人が相当楽しんで書いてるな・・・、って感じだけはよく伝わってくる。恐らく実際は、書きたくない事件を書かなくてはならず、無理して書いていることもあっただろうけれど。
さて、現在私が10月末までに書かなくてはならない本は、文章で遊べないことが判明。もちろんフランス語で書くだけで“遊ぶ”こと自体、非常に苦しいのだが、そうじゃなくても、あらゆる意味での遊びは、極力避けなくてはならないのが現状。
これだけでも、相当やる気が削がれる・・・・・・。なので、未だに“これだっ!!”というリズムを見つけられず、すでに4月に突入。心臓がバクバクと遠鳴りを始めてきている。今でこうなのだから、締め切り近くになったら、私の心臓はどうなってしまうのだろうか?。
さて、ロンドンの幼なじみのMが来週パリにやってこられることになった。彼女は本当だったら、すでにパリにきているはずだったが、学校に提出する英語でのレポートを期限内に終えられず、モガキ苦しんでいた。
私とI嬢が、3月の末に彼女の家にお邪魔してたとき、彼女はパニックの真っ最中。おまけにレポートと思っていたシロモノが、実は修士論文だったと、締め切りを過ぎてから発覚しているアリ様。
ある日の明け方、老人のようにトイレに起きたら、キッチンに灯りがついていた。恐る恐る足音を忍ばせて、キッチンに行き様子をうかがってみると、M嬢がボーーッと椅子に座って、タバコを燻らせていた。薄明かりに映える紫煙と、なんとも物悲しい彼女の背中。ああ、彼女、煮詰まってる?!?!?!?!。
とにかく、色々とあったが、彼女は無事論文も提出、学校からもOKをもらい、晴れて自由の身になったとのこと。本当に、よかった、よかったっ!!。
しかし、だ・・・・・。近々修羅場パート2に突入しようとしている私。今私にできることは、この姿を垣間見て、“明日はわが身”とキモに命じることだけだったりして。
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