ゼロの視点
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日曜日の午後、BBCワールドを見ていたら、スゴイ映像が飛び込んできた。ジャーナリストのJohn Simpsonが同行していた部隊(クルド人とアメリカ特殊部隊)のところに、アメリカ軍が誤爆してきたのだ。
突然、テレビカメラに血が飛ぶ・・・・・。カメラマンがそれに焦りながら、血を手でふき取ると、その血がカメラにへばりつく。その曇ったレンズの向こうに転回される、地獄絵図。
カメラの前に血だらけになって倒れる人、また、人々の会話が続く。開戦以来、毎日テレビで馴染んでいたJohn Simpsonも、左足が裂けたズボンを穿いたまま逃げ惑っている・・・・・・。
解説もなにもなく続いていく映像。現場での会話を耳で追いながら、テレビの前で身動きできなくなった。倒れる人、燃え上がるクルマ、逃げ惑う人、瀕死の怪我人を搬送する人・・・・・。
最後に、John Simpsonがその現場で短いコメント。「戦地ではこういったことが起こりうる。これが戦争だ。でも、地獄だ・・・・」と言っていた。そこでは、彼の通訳として同行していた25歳の男性が被弾して亡くなった。それに対して、彼は「こんなこと、言葉で表現できない」とも。
その後私は、BBCワールドと、CNNと、LCI(フランスのニュースチャンネル)を交互に見て、報道の仕方、コメントのつけ方などをチェックしてみた。CNNはこの事実をすこしだけ、最小限の義務として報道、でも悲惨映像はなし。BBCでは、もちろん何度も報道。LCIは時折皮肉な言葉を交えながら報道・・・・、という感じだった。
テレビだけじゃ物足りないので、以後ネットで英語・フランス語、日本語のそれぞれのソースで検索。そのうち、色々な記事を読み漁っていくうちに、すっかり夜が明けてしまった。おかげで戦争のことには妙に詳しくなってしまったが、仕事からは完全に離れてしまった。アル意味では、仕事から無意識に離れたかったのが理由かもしれないが・・・・・・。
それにしても、個人的に衝撃を受けた報道だった。誤爆云々というより、バーチャルだが、あまりにも生々しい“戦場”を目の当たりにしたことによる。イラク兵などは何千人単位で命を落としている。戦争は市民を巻き添えにせず、兵士同士で行うものとは言うが、それにしても・・・・・・・。
アメリカは志願兵制度をやめて、徴兵制にすればいいんじゃないか?とさえ思ってしまった。じゃないと、「アメリカ万歳!!」と言って、そう簡単に戦争にやすやすと賛同できなくなると思うから。
イラク兵の姿をみていると、第二次世界大戦中、竹やりでB29を撃墜しようとしていた日本を思い出す・・・・・。世界一の軍事力で叩きまくっているのだからね、アメリカは・・・・・。もしマジでイラクが核を持ってたら、とっくにアメリカのどこかに核爆弾を落としてもいい頃じゃないか?。
核持ってそうだと言いながら、持ってないことをなんとなく確認して、そんな雰囲気をつくりあげて、石油ももっててにくたらしいから、イラクをブッ叩け!!、って感じなんだろうなぁ、きっと。
そういえば、鎖国中の日本にやってきた“黒船のペリーさん”も日本を研究して、最後には大砲をぶっ放しながら、港にやってきたものだ。やっぱり、アメリカの外交にはいつも、大砲→ミサイルなどで脅すという行為が先で、そのあとに、ちょっとだけ言葉での外交というオプション(もし簡単に相手が降伏した場合)がついてくることがある、って感じなのだろう。
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