ゼロの視点
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2003年04月12日(土) パーティーにて

土曜日の夜は、パーティーだった。最近、人に会いすぎて疲れていたのであまり気が乗らなかったので、とりあえず、夫に先に行ってもらう。

 一人でダラダラと家で過ごし、ソロソロ顔をだしたほうがいいかな?、と思ったら、パーティー会場から電話・・・・・。「早く来てっ!!」等。というわけで年貢の納め時。23時過ぎに家を出る。

 メトロに乗るのも面倒くさかったので、門を出たところで瞬時にタクシーを拾う。ああ、人と喋るの面倒くせえなぁ・・・、と思いながらも、気がついたらタクシーの運転手にインタビューしてた(笑)。
 
 彼の運転手としての人生はすでに35年だという。じゃ、それならと思って、いつものごとく、印象に残った客について尋ねてみた。

運転手「王様とか乗せたことあるよっ!!」
私「へえ、どんな王様」
運転手「そりゃ、もちろん、色の黒いところの王様だよ、ワハハっ!!。白い国の王様なんか、タクシーなんか乗らないものっ!!」
私「とはいっても、どの国?」
運転手「地図にものってない、アフリカの小さな国じゃないかな。でも、彼らは面白かったよ。その逆でフランスでちょっとだけ名の知れた有名人ってやつを乗せたことが数回あったけれど、なんだかね・・・・・・。
私「なんだかねぇ・・・・、ってどういうこと、もっと知りたいな、具体的に!!」
運転手「ううーーん、なんとういうか、あまりうまくいえないなぁ・・・・」
私「スノッブだったの?。」
運転手「ま、そういうことだな・・・・・・。」

ってな感じでした。その後どんどん話が変わって、財テクの話になった。この運転手は毎日新聞の株式の欄を見るのが趣味なようだ。それでたくさん稼いだかは知らないが。

 その話を聞いた瞬間、顧客としての日本人像を聞いてみたくなったので、さっそく質問。これも、時によっては仕事のネタになる可能性があるのでっ!!。彼曰く、バブル崩壊の後は、日本人の顧客は減ったように感じるとのこと。それを聞いて、内心、本当かなぁ・・・・?!?!?!?、と思った私。もうちょっと深く話を聞きたくなったところで、目的地の16区のとある場所に到着してしまった。ああ、残念っ!!。

 さて、久しぶりに会う友人・知人らと適当に挨拶を済ませ、飲みたいだけシャンパンを飲んだら、急に元気になってきたので、手当たり次第に今後のフランスの立場を尋ねてみようと思った。

 飛んで火にいる夏の虫・・・・・、と言う感じで、この話題にのってきたのが友人のドイツ人D(♂、42歳・銀行員)。彼は、非常に自分がドイツ人であることを誇りにしている(笑)。で、おまけに人を挑発するのが趣味。フランス人の前で、ボクのオヤジはSSだったとか、言ってのける。それを聞いて笑うフランス人もいれば、マジで怒り出すフランス人もいる。

 彼の妻Vは美しい弁護士のフランス人女性37歳。彼女はDに惚れまくっている、信じられないくらい・・・。そんなことも含めて、フランスの未来について質問する際、

「私もあんたも、フランスにおける外国人であり、とはいえ配偶者がフランス人なんだよね・・・・・、この点においてどお思う?。」と尋ねてみた。

D「それが問題なんだよ・・・・。ボクは絶対シラクがスタンドプレーで、いい気になってアメリカやイギリスに楯突いたのが許せないんだ!!」
私「なんでそお思うの?。」
D「正義もなにもないんだよ、この世の中。だからこそ、英米に楯突いてもしょうがないのっ!!。」
私「へえ、興味深い意見だね。もっと聞かせてっ!!」
D「変な人道主義みたいなものに捕らわれてしょうがない国民性があるフランス人が、アホにみえてしょうがないんだな、ボクは・・・・。」
私「でも、あんたの奥さんもフランス人でしょうが・・・・、彼女はなんて言ってるの?。」
D「彼女は感情的には、米英の“蛮行”に対してOKとは言えないが、ボクが散々現代社会、とくに資本主義社会においてのルールについて説明したら、納得したよ。」
私「へえ、そうなんだっ!!。私なんか、フセイン政権が崩壊した時に、ただ今後のフランスの行方をダンナに質問しただけで、妙にうちの奴は呼吸が抗えっていたけれど、ね(笑)。」
D「Vもそうだったよ。でも、今はね・・・・・。」
私「今は何よ?。」

と尋ねたところで、彼の妻Vがやってきた。彼女の今までの会話の進展を話し、あらためて彼女の意見を尋ねてみた。すると、苦々しく表情でVが、

「私はフランス人だから、なかなか現状に対して肯定的になれないけれど、きっと夫のDが正しいのかもしれないわ・・・・・、残念なことに・・・・。」と答えた。それを聞いて、至極満足顔のD。

私「でもさ、あんたの国もアメリカに反対してたよね・・・・。うちの国は考える余地もなく、アメリカ万歳だったんだけれど、ねぇ・・・。これに関してはどう思う?。」
D「日本のほうが正しいと思う、絶対っ!!」と答えてきた。

 ちなみに、Dに“すでに戦争で人を殺したことがあるか?”と尋ねたら、ちょっと誇らしげに“OUI”と言っている。戦士であることが、または資本主義社会でたくましく生き残ることが、彼としての人生の醍醐味だとも語っているから、彼自身の哲学では矛盾がないのだろう。

 他に、ホメイニ革命以来フランスに亡命しているイラン人A(自称アナーキスト)に、今後アメリカがイランを攻撃する可能性があるかもしれないが、個人的にどお思うか尋ねてみた。

A「どうせヤルなら、さっさと攻撃するべきだ、アメリカはっ!!」
私「でも、いいの?。あんたの家族、まだテヘランに残っているんでしょ?」
A「もちろん。でも、いずれにせよ、政府がバカだから、一刻も早くブッつぶれて欲しいんだよね、個人的に。」
私「政府云々じゃなくて、自分の故郷が滅茶苦茶担っていく様を、冷静にテレビで見ていられる?。」
A「そんなのたいしたことじゃないよっ!!」
私「へえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・、わたしゃ、まだそのレベルにまで達してないよ。例え小泉のことをアホと思ってもなんでも、故郷が、家族が、そして友人が、その渦中で苦しんでいる様を感じるだけで、居たたまれなくなると思うんだけれど・・・・・」
A「執着なんて、くだらないのさっ!!」

とのことだった。

 結局、この二人と長々と話してしまったので、それ以外の人とこの主題で議論することができなかった・・・・・・・・。非常に悔やまれる。BBCでもCNNでも、本日こそ一番、フランスのことを味噌クソ言っている段階だったからこそ、実際にはどのくらいのフランス人が、アメリカ側に突如翻るか?、というのが知りたかったのだが・・・・・・・。

 ま、それは、次の機会に・・・・・、ということで・・・・・。



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