ゼロの視点
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2003年04月17日(木) 家族ゲーム

 再び、現在開催中の80〜90年までの日本映画特集に行ってきた。今回は『家族ゲーム』(1983年)。

 20年も前の映画になってしまったんだ・・・・、というのが正直な感想。また20年前は、ちょうど受験を終えて、私が高校生になってた頃だと思う。そんなわけで、時代も個人的にはマッチしているわけだ。

 会場には、たくさんの非日本人の方々がきていた。耳をすませて会話を聞いていると、日本語できる人も結構たくさんいた。さすが、パリ日仏会館(笑)。今回は、じっくり人間ウオッチングをしたかったので、夫より先に家を出て、一番に会場入り。早めに座って、その後続々を入ってくる人などを眺めていた。

 松田優作も、伊丹十三も、すでに亡くなってしまったんだなぁ・・・、とあらためて実感。また、20年経った今でも、ものすごく面白い作品だとも感じた。日本のテレビでこの映画が初放映されたとき、衝撃のラストシーンが丸々カットされてしまい、監督の森田芳光が猛烈に激怒したということがあったらしいが、このラストなくしては、この作品は語れないっ!!、と・・・・。

 非日本人の方々も、各シーンでかなり爆笑していた模様。うちの夫は、それほど爆笑していなかった。私は私で、よく笑っていたと思う。

 夫曰く、この映画を見て、哀しくなったらしい。なんで、こんなにシラケているんだこの家族は・・・・、と。そして、この映画が風刺モノだとしても、それができただけの背景が実際に日本にあるなら、キツイ・・・、とも、のたまった。

 キサマはそんな風に、この映画を見たのねェ・・・・、ふーーーん、と妙に面白くなった私。ということで、この機会を利用して、6・3・3制の教育、受験地獄、またそれにかかる養育費用について、ザッと説明。こういう機会がなく、ただ説明しただけでは、自分に本当に興味のないことは、さっさと忘れる夫なので(笑)。

 話もどんどん長くなり、腹も減ったこともあり、カレー屋に場所を移動して、まだまだ二人で話す。結局、夫は

「親がたいしたことに興味のない生活をしていれば、子供だって、それを必然的に学んでしまうわけで、そこでどんなことを本当に学べるのか?、と考えると、薄気味悪い」ということを述べた。で、私は

「じゃ、あなたは自分の家庭に満足してる?。」

夫「うん。母親はうるさいけれど、とはいえ、両親が活き活きと(自分勝手にとも通訳できる)が好きなことをやっていたと思う。少なくともこの映画と比較して・・・・。」

私「でも、それでも社会で成功しろだのなんだのと、ウルセーあんたの母から逃れたい一心だったでしょ、あんた・・・・・、それでも、満足?。」

夫「それでも、自分のやりたいこと、数々の趣味を含めて、自分を基準にして現在まで生きてこられたのだから、満足だと思っている」

ということでした。

 その答えを聞いていて、ま、まず、あなたの弟は、同じようには家族を語らないだろうね、と突っ込んだら、彼は苦笑いをしていた。ああ、義弟を連れてくればよかった・・・・・。



 さて、いつか夫に見せてみたい日本映画・・・・・・、それは『鬼畜』と『震える舌』かな、とりあえず。でも、今回の上映プログラムには入ってないのだけれど、ね。


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