ゼロの視点
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夫を一人で、成田から実家最寄り駅よりやって来させようとしていた私だが、結局、用事がてら、新宿まで迎えに行くことになった。
私の用事とは、免許の更新。午後の受付時間に合わせて家を定時に出たのはよかったが、途中で、全然違った電車に乗ってしまい、まったく違う方向へ行ってしまったので、結局、免許の更新ができなかった。これほど、アホみたいに電車の方向を間違える経験というのは、生まれて初めてなので、ちょっとショック(涙)。
ゆえに、予定時刻より大幅に早く新宿に到着してしまった私は、新宿・新南口界隈をブラブラ。ようやく、夫を乗せた成田エキスプレスが新宿に到着する時刻になったので、ホームで待機。
国際線の飛行機でも、平気で時間に遅れて、乗れないということを何度もやっている夫。しかし、とりあえず、彼がパリを飛び立ってからも連絡はないので、成田にはいると思っていたが、果たして、成田エキスプレスに無事に乗って、新宿まで定時にやって来られる可能性は100%とはいえない・・・・・。
ホームに電車が入り、乗客が降りてきた。ホームを見渡すと、遠くに一人だけ冬物のショートコートを着ている西洋人らしき♂を発見っ!!。もう、これだけで、あ・・・・・っ、これ、残念ながら我が夫だ・・・・・、と気がついた(笑)。
さて、長旅で疲れていた夫だったが、新宿をブラブラしてみたいと言ってくるので、やはり新宿だったら、一番視覚的にも面白いのは歌舞伎町なので、そこへ連れて行く。歌舞伎町から、風俗店がたくさん立ち並ぶ道をジグザグに歩き、区役所通りから一本入ったところにある、四季の道を抜け、ゴールデン街、そして花園神社などを散策。
いい加減歩きつかれたので、お好み焼き屋に入り、早目の夕食。不覚にもかっこつけた店に入ってしまった。注文するだけ、注文したあと、パリの空港でユーロから円に両替したはずの夫に、手持ちのお金はいくらか?、と尋ねると、10000円あったはずなのに、すでに小銭しかないっ!!、とのたまう。
???????。
夫は、きっとどこかでつり銭をごまかされたんだ!!、と言い張るが、そんなことってあるか、この日本で?、と思った。で、よくよく考えさせてみると、夫は、なぜか、成田エキスプレスの切符を、2回購入していることが発覚。空港から出た瞬間に、まず予約して購入。ソノ後、ジャパンレールパスの手続きのため、みどりの窓口へ行って、そこでまた切符を買ってしまっていたのだ。
おまけに、飛行機の中で免税でタバコをワンカートン購入してほしいと、頼まれていた夫だったが、その際、“ユーロ”で購入せずに、円で買い物してしまっていたらしい・・・・・・(汗)。こんなにユーロが強いからこその提案だったのに、何もよりによって、円で買い物するとは・・・・・。
夫の日本円を当てしていたので、私もあまりキャッシュを持ち合わせていなかった。なので、もっともっとお好み焼きとビールを注文したかったが、カード払いを受け付けない店だったこもあり、最低限のものだけ食べると、早々に店を出ざるをえなかった・・・・・・・・・・。
さて、これでトボトボ実家へ戻っていこうと思っていた私だが、疲れにもかかわらず、まだまだ新宿をウロウロしたいという夫の要求に、付き合うことにした。再び、歌舞伎町へ向かう。
ドン・キホーテにて奇妙な商品を見たり、コマ劇場前で、そこを行きかう人間ウオッチング。これから店に出て行くと思われる、ニューハーフの集団や、呼び込みの人々、どうみても同伴出勤と推測されるオヤジとママさん、異様にラブラブで、ベタベタしているイケテナイ40台くらいの不倫カップル、コマ劇場の裏口で、お目当ての芸人の“デマチ”をしている追っかけティーン・エージャー、どっちが男か女かわからない華奢なカップル、ヒールを履きながら、ガクガクと歩きにくそうに歩いている若い女性・・・・・等等。
夫は、あまりのガニマタ率に非常に感動していた(汗)。あと、フランス人(ヨレヨレ率が高い)に較べて、日本人サラリーマンはスーツを綺麗に着ているので、彼からみると、私において、“ただのサラリーマン”でしかない人達が、みんな社長に見えてしまうらしい(笑)。
風俗店の観光案内所ともいえる、インフォメーションセンターに入り、そこに山ほど置いてあるチラシを見て、サービスの内容と、時間、そして料金を推測しながら説明すると、夫は非常に熱心に聞いている。“指入れOK”、など、説明していても笑える。ただ、あまりにもわしらが楽しそうにチラシを見て話しているので、真面目に風俗店を探しにきていたサラリーマン達は、ちょっと居辛そうだった・・・・・、スマン。夫は、チラシをたくさんもらって、それをフランスに戻ったときの土産にするそうだ。安上がりで、家計的には、大助かりっ!!。
バッティングセンターの見学もした。野球に馴染みのないフランス。夜、メシを食い終わった後に、なぜサラリーマンらが一心不乱に、金を払って、黙々とバットを振り回しているのか、まったくわからないそうだ。剛速球コースを選び、ことごとく空振りしている大学生風の男性の姿をみて、夫は意味深に笑っている・・・・・・・・。
帰りの電車は各駅停車だったが、座る席はなかった。すると夫は、座っている人に、どこの駅で降りるか訪ねてもいいか?、と私に聞いてくる。ゲッ・・・・。すると、突然電車が急停止したので、その反動で、脇に立っていたサラリーマン数人が吹っ飛び、床に転がったらしい。これらのことは、私の背後で起こったのだが、夫は一部始終見てしまったらしく、可愛そうに・・・、と言いながら、薄ら笑いをこらえている・・・・。鬼畜。
座ることもできず、やることもなく、落ち着きのない夫は、車内に吊るされている広告の平仮名だけを片っ端から、声に出して読んでいく。ちなみに声は結構大きい・・・・・。夫の平仮名習得度は完璧じゃないゆえに、間違える。
たとえば、“おといあわせ”という言葉を、一言一言考えながら、発音していき、なんとか“おといあわ・・・・”まで達成。ところが最後の平仮名が全然思い出せない。思い出せないので、何度も、何度も、“おといあわ・・・”を繰り返し、ようやく最後に言った言葉が、“おといあわ・・・・、け”とかになってしまう。
想像してほしい・・・・・・・・・・。こういった会話を選択の余地なく耳にしてしまった、彼の周りにいた人々たちの心境をっ!!。窓ガラス越しに、サラリーマンらの表情を観察したら、かなりの人が笑いを堪えていて、またかなりの人が、集中して本が読めず、困っていた・・・・・・・・。
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