ゼロの視点
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2003年06月28日(土) 再びサン・ドニ

 本日も早起きして、サン・ドニ・バジリクへ。

 夫が参加している、とあるアソシエーションにより企画されたバジリク研究一日ツアー、みたいなものに、一緒に参加するため。みんなに、昨日の夜もバジリクにいた、と言うと、「どうせならここで寝泊りすればよかったのに!!」とからかわれる。ま、確かにそうだ・・・・。

 専門ガイドの説明に沿って見学するのだが、実は私はこういうのがあまり好きではなかったりする・・・・。要するに自分の見たいように見て、あとで自分の興味のある質問だけをしたいのだ。ゆえに、しょっぱなからちょっと苦痛気味。

 大聖堂からは、本日もコンサートがあるのか、オーケストラの音(ブルックナー)が聞こえてきて、もうひとつ違うところからは、おそらくグールドのCDだと思われる“ゴールドベルク変奏曲”が聞こえてくる。そんな状況下、ガイドの説明よりも、ついつい音に耳や身体が反応してしまい、バジリクの説明はあまりわからず・・・・(汗)。

 一同でのランチで、すっかり酒を飲んでしまい、昼寝をしたい気分になっている私を察して、夫が「飽きたなら、家に戻ってもいいんだよ」と今回だけは“やさしく”提案してくれたので、その申し出にすぐさま飛びつく。なにしろ、こんな申し出をすることがめったにない夫。彼の気が変わらぬうちに、さっさと帰ってしまおうと思う私。

 さりげなく、一同に挨拶をして、メトロに乗ろうと思ったら、バーゲンの字文字があちらこちらに・・・。そうだ・・・・、もうバーゲンの始まってるんだ・・・・、等と考えるより早く、すでに私の足はブティックの中に入っていた。すると不思議なことに、さっきまであった疲労感も飛び、逆にエネルギーすら沸いてきているのを実感(笑)。

 ということで、突然、皿を大量購入してしまった。しかもガラスで一枚がものすごく重い。おまけに配送してくれない、とのこと・・・・・。でも、お買い上げ。番町皿屋敷状態。

 メトロで途中まで頑張って運んでみたものの、5歩進んでは休み、という状況でも、指がちぎれ、腕が抜けそうになったので、タクシーで帰った。ああ、長い道のりだった・・・・・。

 ところで、途中のメトロでのこと。私の隣に、30代後半と思われる男性が3、4歳と思われるかわいい女の子を抱いて座った。彼の娘は悲しそうに泣いている。その声は徐々にクレッシェンドしていく。そのうち、車内に豪快に響きまくり、周りの人の眼がこの父と娘にクギ付けになっていく。

 娘はひたすら「私のママン」と叫んでいる。でも、彼女が一緒にいるのはパパ。パパが撫でようとすると、娘はその手をムゲに振り払う。パパがウンザリして「これが見える?」と叩く真似をして手をかざすと、その手を逆に娘が叩くように振り払う。

 もうパパには、何の権威もないのがバレバレ。そんなことを知って、もっと困らせるように泣き叫ぶ娘。その娘を見て、また周囲の人を見ては、どこかに消え入りたくなってきているパパ。

 わたしも、ついつい娘をじーーっと見てしまった。すると、彼女と眼があった。彼女が泣いてないことに気付く。でも、まるで「ちょっと私の好きなようにパパを困らせてちょーだいっ!!」って感じで、彼女は眼で私に訴えてきたようだった(笑)。

 多分、このパパはママと離婚して、週末それぞれの時間にあわせて娘を預かったりしていたのだろうか・・・・?。


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