ゼロの視点
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自宅最寄のメトロ駅でのこと。
私は会社員じゃないが、メトロの一年パスをいつも購入している。で、先日パスのカードケース(ビニール製)が裂けてしまったので、新しいパスケースをもらおうと、窓口にいる公務員に尋ねてみた。公務員は恐らく40代後半と思われる巨漢デブ白人女性。
私「現在使っている私のパスケースはこういうものなんですが(現物を見せる)、このように壊れてしまいました」と言うや否や、 デブ公務員「ない」 私「?????」
あまりにも公務員が小声で答えたのと、まるで探しもせず答えたので、現実が把握できず、もう一度食い下がって彼女に同じ質問をしてみた。でも、あいかわらず、
公務員「ないものは、ないのよ、何回同じことを言えばいいのっ!!」と開き直ってくるではありませんかっ!!。
その瞬間、私はマジでキレてしまった。今年5月から続く連日の公務員のスト騒ぎで相当ムカムカしていたし、自分の仕事がなかなかはかどらず同じくムカムカしていたのだと思う(笑)。
私「そうですか、わかりました。そこまでグロテスクに肥大したあなたのオシリを微動ダニ動かして探そうともせず、ですね。指折り数えて、スト繰り返してなんとか獲得した素晴らしい退職生活があなたの将来には待っていることでしょうが、退職生活に突入した瞬間、太りすぎであなたが心臓麻痺で昇天することを心から願っていますっ!!」
私は、キレていたので、腹式呼吸の素晴らしい発声法で話していたと思う。ゆえに、チラホラと人だかりができていた(汗)。窓口の女性公務員は、言い返すこともなく蒼白くなり固まっていた。なので、そのまま改札を通って、彼女を放置してとりあえず自分の乗る方向のメトロに乗った。
正直、私がキレ過ぎたのか否かはわからない。個人的にはキレても、絶対にオ下劣な言葉を使わないようにするのが私のモットーで、それだけは回避できたことに妙な自信が湧いてきてしまった(泣笑)。
夫曰く、議論で盛り上がれば盛り上がるほど(ある意味私が攻撃的になってくると、という意味)、私のフランス語は流暢になるらしい。おまけに文法的にもほとんどミスがなくなるとのこと。
確かに、日本でも同じことを言われていた。矛盾などを突く時の私は妙に活き活きしていて、語彙と例えが豊富らしい。いずれにせよ、こういったシチュエーションにおいて、かなり脳が活性化されるらしく、そうなると自分でもイタコ状態になっていることがわかる時があるから不思議だ。
特に、フランス語において、自分でもハッキリと理解してない言葉とか、全然知らない言葉まで飛び出してくることがあるから不思議だ。恐らく、今までの生活の中で見聞してきた語彙や言い回しなのだろうが、普段はうまく使えなかったりすることがほとんど。なのに、攻撃的モードにチェンジすると、本当にどこまででも(これは大げさだが)語彙が出てくる。
とはいえ攻撃しながらも、自分が意図してない語彙が、自分の口から飛び出してくるのはちゃんとわかる。議論は進めながらも、自分の新しい語彙を、アタマのスミで、“ああ、ちゃんとメモしておかなくちゃ!!”なんて、マジで焦っているのだ。
なので、時にああいって、こうやって誰々を論破した、という話を日本人同士で話していて、“どういうふうにフランス語でいうの?”と質問されることがあるが、完全に答えられないことがたまにある。
また夫から、日本語についての講義を求められることがあるが、突然“この言葉を日本語でなんというの?”等と質問されると、答えられないことが多い。
ということで、結局、私にとって言語とは、他者があってはじめて成り立つものであって、自分ひとりだけでは、語彙に限りがあるということが奇しくも判明してしまったわけである。他者という刺激、それがなくしては良くも悪くもコミュニケーションもへったくれもないわけだな、と。
なので、ひたすらコツコツ外国語を自国で学ぶ・・・・、というようなことは間違っても私には出来なかったわけだっ!!、とあらためて実感した次第(これは仏文専攻でありながら、まったくフランス語を話すことに全く興味がなかった長年の私のコンプレックスに起因する)。
最近、たまーにだが、語学を教えてみないか?、なんつー恐ろしいオファーがあるのだが、どう考えても、私にはできない。特に、語学習得だけということには、今現在でも全く興味を覚えられない自分がいるからだ。そのかわり、もしかすると、コミュニケーション術というものをメインにしたものなら、なもう少し自分のモチベーションが上がるかもしれないとあらためて感じた。
とにかく、ああ、哀しいかな、私にとっては、外国語というのはコミュニケーションのツールでしかないのだな・・・・、ということ。言語学者などの気持ちがまるでわからんっ(笑)。
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