ゼロの視点
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先月の日本里帰り中の旅行先、出雲の古本屋で100円で購入した『パリ日本館だより---小林善彦著・中公新書』を読んでみた。1979年に出版され、著者自信が1976〜1977年にパリに滞在していた時の話をまとめたもの。
ま、もしかしたら資料にでもなるかな?、それに100円だし、という軽いノリで購入した本だったが、読んでみたら面白かった。著者がパリ滞在をしていた時は、私はまだ9か10歳ぐらい。
それなのに、彼が書いているパリに対しての印象や、パリで暮らしながら日本を観察した感覚が同じなのには、呆然。この当時にフランスにやってきた留学生は、すでにフランスを後進国と見下し、日本のハイテク生活に激しい郷愁を感じながら生活していたらしい(笑)。
その一方、たまに耳にする日本での凶悪犯罪ニュースにより、「ああ、日本はどうなってしまうのだろう?!?!?!」などと憂いていた在仏日本人が多かったとのことだ。著者によると、すでに1977年には、朝日新聞で“不満爆発型犯罪が激増。親族殺人、発砲など続出”などと見出しで騒がれていたらしい。要するに、不満爆発型=キレる、と言葉が変わっただけで、ああ、なーーんだ変わってないのねぇ、等と笑ってしまった。そして、お決まりの“日本のチアンは底辺で大きく変化している”等という締めくくり。
笑えた。今、この本が店頭に並んでいるのか否かは知らないが、きっと在仏日本人が読んだら、共感できると同時に、日本もフランスも意外に変化してないことに軽い脳震盪を食らうことだろう。
ただ、この当時の西欧諸国からの日本という国に対する理解度は少しはあがったのかもしれない。フランスではないにしても、とある国は“日本は遅れているから伝書鳩で連絡を取り合っている”ということを新聞で語らせていたらしい。もう、爆笑。さっそく、ネタにしようと心に決めた。
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