ゼロの視点
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| 2003年09月01日(月) |
Nos Meilleures Annees |
ギメ術館別館の"Pantheon Bouddhique"に取材を兼ねて出向いてみたものの、現場に到ギメ美着すると、ドアには無情にも、本日例外的に休館と書いてあるではないか・・・・・・。ガックリ。
しょうがないので、ギメ美術館本館を見学。ルーブルと比較すれば、小さな美術館とはいえ、一点、一点の解説を読みながら、全部を鑑賞しようとすると、かなり体力を消耗する。だから、美術館はキライなのだ。ま、取材ということで無料で入場しているからまだ救われるが(笑)。
仕事が休みの夫も同行して、ほとんど遊び状態の取材。日本のモノなどそっちのけで、インドとチベットのモノの鑑賞を楽しんでいる始末。
リュクサンブール公園のまん前に住んでいるJYと19時に待ち合わせだったのもの、急遽JYに用事が出来たので、お流れ。じゃ、久しぶりに夫婦で飯でも食って、映画にでも・・・、ということになりパリスコープを購入したものの、観たい映画がない。なんだかんだいって、観たい映画は全部観てしまっていたので、どうしようか?!?!?!、と二人で悩む。
でも、とりあえず映画は観たいというジレンマ・・・・。ふと友人Mからこの夏中ずうっと観るように薦められていた映画があったことを思い出し、雑誌で確認すると、まだ上映中ということが判明。とはいえ5時間半の超大作で、第一部と第二部に別れている・・・・・。めんどくせ。
もうどうでもよくなって、とりあえずレ・アールの映画館まで行った上で、適当に選ぶ、ということにして、足を運ぶと、なんとこの超大作以外、全部5分前に始まってしまっているアリサマ。ゆえに、選択肢はたったひとつ。ま、これも、Mの執念が実ったということで、二人であきらめてこの映画を観てみることにする。
"Nos Meilleures Annees"というイタリアテレビで放映されたらしいものの、映画版。1966〜2003年までの歴史の流れと共に、とあるイタリア家族の変遷を描いたもの。ヒッピー文化から、毛沢東思想、共産主義への共感、資本主義および合理主義への嫌悪、理想を追従してやまない二人の兄弟の姿、そして挫折等。主人公は、とても味があるものの、非常に内容は表面的だな、と個人的に思った。
アル意味では、この表面的さが、逆にリアルなのかもしれないが。日本でもそうだが、全共闘世代などが、後に会社の金を食いつぶして豪遊している姿をよく見聞するが、それに通ずるものがある。要するに、思想だのなんだの言っても、非常に浅いわけで、本当に吟味されているわけではないのだから。
この映画は、すでに5万人以上のフランス人がこの夏鑑賞したらしい。それもかなりの絶賛を得て。へーーえ、個人的には、どうも?!?!、という感じなのだが(ま、これはアメリーに対しても、同じことが言える)。色々と批評を読んでみたが、誉め言葉ばかり・・・・・・、不思議だ。
夫は、もっと反応が過激で“ツマラネー”の連続(笑)。観ている最中から、座席で、こういう風にデカイ声で言うのだから、楽しんで観ている人には、失礼だと思うのだが・・・。ま、確かにものすごく面白いわけじゃないが、いちいち口にするほどでもないだろうに。
とはいえ、まだ第一部しか観てないので、とりあえず第二部も近々観てみようと思っている。映画自体は、非常にシンプルで判り易いので、誰でも鑑賞できるし、感動もできることだろう。おまけに、イタリア人オトコが、妙にフランス人オトコと違うのは面白い。また、イタリア語のリズムと音が、その言語を全く解さないからこそ、新鮮だった。
とりあえず現時点でよくわかったことは、これは友人Mが生き写しの映画ということ。彼女が何故こんなにこの映画を観て感動したか?、等ということはあらためてよくわかった。それだけでも、よしとするか。
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