ゼロの視点
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| 2003年09月28日(日) |
Les eaux de Versailles |
午後、PCの前に座っていると、この部屋から一番遠いはずの部屋から夫の激しい話し声が聞こえてくる。夫殿は、激昂している。
興味津々にその部屋へ、抜き足差し足で近づいてみると、やっぱり夫の話し相手は彼のママン(つまりはわしの姑さま)だった。
ここのところ、激しく鬱モードの突入している姑は、考え方が強烈にネガティブなっていて、口から出てくる言葉はみんな愚痴、社会批判、息子批判等、なんでもあり。一人暮らしで周期的に襲ってくる“どうしようもない寂しさ”がマグマとなって、噴き上がる、という感じ。私は、これをレンヌ群発地震と呼んでいる。
夫は、私と同じく、親孝行をまったくしていないことにかなりの罪悪感を感じながらも、長いこと電話で彼女の愚痴を聞いているうちに逆ギレしてしまうというのがパターン。彼の姿をみていてると、まるで自分の姿を彷彿させるので恐ろしいこともある(汗)。
そして、本日は愚痴を吐き出すだけじゃなくて、電話口で姑は泣きじゃくりはじめた。夫は、どうしようもなくなって、深いため息をつき、受話器を遠くに離して、およそ15秒間隔ぐらいで、適当に相槌を打つ。息子がもしかしたら真面目に聞いてもいない?、等ということにも気付かず、泣きながら延々と寂しさや、今までの人生で報われなかったことなどを話しつづける姑。
しかし、受話器を遠くに置いても、不思議なことにちゃんと聞こえるくらい大きな声で姑が泣きじゃくっているので、入口でこの親子の会話を観察している私も、彼女が何を言っているのかだいたい聞こえてくる。
夫はそれでも、なんどかポジティブに物事を見られるような考え方を薦めるものの、姑はそれをことごとくバッサリ切り捨て、泣き止まない。そして、お決まりの夫の逆ギレ、というわけだ。
夫「ママン、もう58分もボクはママンの独白を聞いてるんだよ・・・」
ママン「あなたがもっと怠け者じゃなかったら、人生においてもっと成功していたかもしれないのに・・・・・シクシク」
夫「ボクは充分楽しい人生を送っているんだっ!!、大きなお世話」
ママン「こんなに色々としてあげたのに、私は一人ぼっち・・・・。おまけにあなたは、私の言うことをまったく聞こうともしない」
夫「もうずうっと、クソ面白くもないママンの泣き言を今だってきいているだろっ、ギャーーーーーー(発狂のおと)」
ママン「ああ・・・・・。私はこうやって息子にも見放されて、たったひとりで死んでいくのよ・・・・・」
夫「ピーピーとよくも泣いていられるなっ!!。よくそこまで水分があるもんだっ、くそ。まるでヴェルサイユ宮殿の噴水みたいに、目からビュービュー涙流してんじゃねえよっ!!!!!!!!」
ヴェルサイユ宮殿の噴水ねえ・・・・・。言われてみれば、確かに。夫もフランス国内とはいえ、遠距離での母親のサポートに四苦八苦しているようだ。仲間発見。
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