ゼロの視点
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夜8時過ぎにオペラ通りのMONOPRIXでぶらぶらしていた私。ちょっと小金が入ったので、何か買いたいのだが、何度みてもピンと来るものがない。何度も何度もフロアーをウロウロしている時、あきらかに喧嘩ごしの会話が耳に語尾込んできた。
声のするほうへ視線を向けると、レジで30代後半の小さな子供連れの白人女性客が、黒人ガードマンに尋問されている。その行為にキレた白人女性が、かなり大きな声でエキサイト。それにつられるように、黒人ガードマンが口調は極力丁寧なものの、声が大きくなってくる。
どうやら、この女性はガードマンに、カバンの中を見せてくださいと言われて、それを拒否したところから、このいざこざが勃発したようだった。この女性、完全に逆ギレしまくっている。おまけにものすごく強気。絶対にガードマンに鞄を触らせない。
次第に、女性は人権侵害との訴えを強くしていき、彼女の慇懃無礼な態度に徐々にキレ出してきた黒人ガードマンが今度は、この女性に対し“人種差別者”と訴える。当然私は、『家政婦は見た』の市原悦子状態になって、耳はダンボ、目はらんらんと事態をちょっと離れたところから追う。
そこにもう一人別の黒人ガードマンが仲裁にはいり、彼女は結局カバンを守りきり事態は収まったか?、と思いきや、今度はほとぼりの冷めないこの女性が、くだんのガードマンに、
「謝罪の言葉がないんだけれどっ!!」と強烈に大きくキツイ声で再爆撃。あー、また始まった。フロアーの客のほとんどは、私のように、それぞれの場所からさりげなく様子を追っている。
不思議だ。本当に謝罪をガードマンに求めるなら、まず無罪な自分を示すためにカバンを開けてから、思いっきり罵倒してもいいのに・・・・と、思う私。しかし、彼女は何が何でも、カバンの中身を見せたくない上、その話題に触れないように、逆にガードマンを責めたてる。
ガードマンは、再びこの女性客に“人種差別だ”というと、今度は彼女、『私の母はユダヤ人なのよっ!!』と叫ぶ。わからん、わからん、わからん・・・・・。
結局、このいざこざは30分近く続いた。そして、彼女は一度もカバンの中身を見せることなく、他の従業員に謝らせて後ろ足で砂を蹴るようにして店を出て行った。
彼女が本当に万引したのかどうかなんて、わからないし、どうでもいい。ただ、この騒動を通して、こういう女性は、自分が男でもつきあいたくないな・・・・、と思わせる異様なヒステリーパワー・・・・・、それがちと怖かった。きっと私が彼女の旦那だったら、言い争うのも面倒くさいので、ある日突然蒸発したくなっちゃうだろうな・・・・、と。
日頃、毒舌だの鬼畜だの言われている私でさえ“ひょえーーっ”と、完全にひいてしまうレベルであったことがおわかりいただけるとありがたいです、はい。
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