ゼロの視点
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2003年10月10日(金) 喫煙事情

 ロンドンに比較すればまだ安いが、フランスのタバコも日本のソレよりは随分と高い。おまけに、平均給料は日本のソレより安いので、当然、タバコはかなり高価なものとなる。

 やれ、フィルム・ノワールだ、やれ、ヌーヴェル・ヴァーグだと騒がれていた時代の映画には、機関車のように煙を吐き出す人ばかりだったものだが、気がつけば、かなりの男性が現在はタバコを吸わなくなってきているフランス。それに対して、女性の喫煙率は高い。特に、若い女性。

 私が若いというカテゴリーに入るか否かは別として(汗)、そんな私も喫煙者の一人。私の夫は嫌煙家(16歳で吸い始め23歳でやめている)。夫の趣味(私にとっては悪趣味)は、タバコがいかに身体に悪いか?、ということを書いた記事などの収集コレクション。

 姑においては、記事を集めるばかりでなく、身近で癌で亡くなった人の原因がすべてタバコと断定して(よく調べると喫煙家ではないのだが)、その悲惨な最期を、末期癌患者が憑依したかのように、真似をして私を脅かそうとする。勘弁してくれ。

 そんな私とはいえ、平均的フランスにおける喫煙者よりは行儀がいいと思っている。タバコを吸わない人の家にいけば、外で吸う等だ。ゆえに携帯灰皿というのが大変活躍する。

 日本でも、禁煙キャンペーンが激しくなってきている昨今、いまや簡単に携帯灰皿を安い価格で求めることができるようになってきているが、私の愛用携帯灰皿は、6年前に購入した登山者用。象が踏んでも壊れないという非常に頑丈なシロモノだ。

 道路、床など、なんでも灰皿だと思っているおフランスの喫煙家からすれば、携帯灰皿などという存在は、まさに“信じられない”の一言に尽きる。今まで、不思議がられ、見知らぬ人に話し掛けられたこと、多々あり。

 さて、上記にも書いたように、若い世代にとってはタバコは高いゆえ、必然的に道端で『タバコ一本ください』という物乞い人口の数は上昇するばかり。

 日本にいた時は、こういった物乞いがいなかったので、喫茶店などに入っても、平気で自分のタバコの箱をテーブルの上に置いておいた。しかし、同じようなことフランスですると、タバコの箱=その中にたんまりとタバコ有り、という意味になり、必然的にたかられるゆえ、絶対にタバコの箱を人目につかないように所持する癖がいつのまにかついてしまったほど。

 それでも、待ち合わせなどで外でプカーッと一本吸っていると、どこかから物乞いが近づいてくる。タバコをくれ、といわれて、即座に嫌だ、と答えると逆ギレするモノもいるので要注意。しかし、タバコは吸いませんと、タバコを吸いながらウソつくわけもいかず、ここ数年は、乞われると、

『あーら、ごめんなさい、これが最後の一本なのよぉ』と大変申し訳なさそうに、さもなくば、

『今、ちょうど私も人からもらったところなの』と、非常に愛想よく答えるようにしている。

 私は上記の方法で今までそれ以上にからまれたことはないが、人によっては、おとりタバコまで周到に用意している。絡まれたとき、一本しか入っていないタバコの箱を見せて、勘弁してもらおうというわけだ(笑)。


 ま、いずれにせよ、タバコやめちゃえばなんでもないことなのだが・・・・・(汗)。

 それじゃ、これからちょっくら、ノルマンディーへ行ってまいります。

 


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