ゼロの視点
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2003年10月11日(土) 霊気 PART1

 ここはノルマンディー地方の小さな村。商店もなにもない、ところ。友人MGの招きで、昨日の金曜日の晩から彼の別荘に滞在している。彼の別荘の1ヘクタール以上ある庭は、プチ・ヴェルサイユ庭園のような刈り込みをされた巨大な樹木と、よく手入れの行き届いた芝で構成された、いわゆる"le jardin cartésien"。

 風情を売りにした、高級セミナーハウスのような彼の別荘で、これから霊気の第一段階・イニシエーションが行われるのだ。

 実は、これを日記に書くかどうか迷っていた。というのも、私自身、“霊気”というものをよく知らなかったこともあるし、そのうえなんかウサン臭いという色眼鏡を常にもちつづけていたからである。

 とはいえ、今の仕事の関係で編集者から霊気についての記事を書いて欲しいと言われたのが今年の3月。乗り気のしないまま、ちょっとだけ下調べをしておいたが、それでも、さっぱりその実態がわからなかった。

 今思えば、この“霊気”という言葉を知ったのは、2001年の春だった。いとこU嬢が、こんど霊気でもやってみようかな?、というメールを送ってきたのがきっかけ。実際に彼女が試したのか否かはわからないが、そのとき、“何それっ?!?!?!”と思ったのを、今でもよく覚えている。直感的に、ニューエイジ的なインチキくさそうなものか?!?!?!、と思ったものだ。

 さて、前述のように霊気についての記事をかかねば・・・・、と思いつつ、どうもピンと来なかったところに、一人のフランス人男性が霊気を実際にやっているという情報を夫が持ってきた。PD41歳。百聞は一見にしかず、ということで、さっそくPDとアポイントを取って、取材に出かけた。何気に霊気について、私と同じような観点で興味を持っていた夫もそれに同行。

 取材という名目だったが、実際は、予想もしないほどPDとわしら夫婦は色々なことを話あい、帰り道に形容のつかない“縁”をシミジミ感じたのが今年の5月のことだった。

 しかし、それぞれ忙しいゆえ、縁を感じつつも、バタバタと過ごし、なかなかPDとそれ以上の話をする機会がなかった私。

 同じように、今回のメインホストMGとも、私は実際には、一回しか会ったことがないのだ(昨年の11月12日の日記参照)。とはいえ、たった一回のディナーだったとはいえ、かなり彼のことはインパクトに残っており、ここでも強烈な“縁”を感じていた。

 私は、いつも誰かと強烈な縁を感じたとしても、無理してそれを発展させようとはしない傾向がある。というのも、ここまで“何か”を感じるという時は、遅かれ早かれ、どこかで再び互いの道が交差する時が来ると考えているからだ。また、もし私が多忙で、実際に会いたいと思われる人に連絡がとれなくとも、もし本当に相手が私に少なからずの興味を持っていてくれるのであれば、向こうから連絡がくることもある、という考え。

 するとどうだろう、MGは、霊気のスペシャリストだったのだ。この事実を夫を介して知ったとき、我を疑った。およそ私のイメージしていた霊気の持つ、胡散臭さから遥か彼方にいるMGが、その実践者だったという新鮮な驚きっ!!。

 今まで数え切れないほどの非日本人に出会ってきたが、実をいえば、MGほど個人的にスゴイインパクトを私に与えた人はいなかった。夫もしかり。夫は彼の事情もあり、ちょくちょくMGとは会っていたが、普段は強烈に図々しい夫でも、MGの前では非常に行儀がいい、つまりは夫なりにMGへの畏敬の念がある、ということで、それはそれでひどく私を驚かせていた。

 MGは現在72歳。ものすごくダンディーで、実際年齢を感じさせない非常にパワフルな男性。立ち居振舞い、会話、生活環境のすべてをとっても、私にとっては痺れる男性なのだ。思想的にも決して偏ることもなく、常にオープンマインド。夫が、同性ながら、MGにかなりの敬意を払うのも無理ないなぁ・・・・、と思うことしきり。実際には、MGは決して他者に敬意を払ってもらうことを求めていない。まだそれがすごく素敵なのだ。

 恐らく、MGの今までの人生では、あまりにも敬意を払われてきたゆえに、彼自身の望みとしては、もっと色々な人間にダイレクト&フレンドリーに接してもらいたいと思ってきたのではないか?、とさえ考えられる・・・・・。

 さて、そのように非常に理性的なMGが霊気を実践しているということを聞きつけた私は、夫を通して私の現状を伝えておいた。そして、本日の霊気イニシエーションの集いが開かれた・・・・・、というわけである。

 MGは、前述のPDと連絡を密に取っており、とにかく何も準備せずに自分の別荘にやってくること・・・・、ただそれだけをわしら夫婦に伝えてきた。MGとわしら夫婦、そしてもう一組の夫婦がこのイニシエーションに加わるという・・・・・。

 メンバー構成にわしら夫婦は興味津々になるが、それを探ろうというわしらのどうしようもない好奇心を捨てることにした。すべては、ただMGを信頼するのみっ!!。それを機会に、わしらは、霊気に対するあらゆる疑念など、一切合財、とりあえず取っ払うことにした・・・・・。

 翌日の日記に続く・・・・・。

 


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