ゼロの視点
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MJ(♀)の息子Bは現在32歳。今でも現役のモデルだ。つい先日も、夫がメトロのゴミ箱で拾ってきた9月号のフィガロでアルマーニを着て、数ページにわたって美しい世界を披露している。
どこか二ヒルで冷たい青い瞳・・・・・・、というのがMJの息子B。スポーツマンタイプのモデルでは決してない。繊細さと、危うさと、というのを兼ね備えたモデルなのだ、Sはっ!!。写真になると、それはたいそう美しい。
以前、メトロにボーっと乗っていて、止まった駅の構内に張ってあるポスターをぼんやりと眺めていたら、それがBだった、ということも多々あり。
じゃ、私にとってセクシーか?、といわれれば、私のタイプじゃない(笑)。というより、恐らく数え切れないほどMJの家を訪れ、実物のBを見てしまっているので、憧れようにも憧れられないというのが本音かもしれない。身近すぎると、幻想も保てないのだ。
さて、Bはママン大好き人間。直接それをだしているわけではないが、私にはわかる。おまけにMJは来年の3月には58歳になるが、ローラーブレードはやるし、踊るし、たくさんの友人に囲まれ、仕事は仕事でエンジョイ(弁護士)し、それなりの彼もいたりする。同性の私からみても、強烈にキュートな女性なのだ。かわいすぎるっ!!。
彼女はパーティーも大好き。タバコと称して、そこには違ったものが混ざっていたりして・・・・・。
そんないわゆる、子供の心配をして、自分を犠牲にして・・・・、という一般的な母親像とは全く違う母をもったB・・・・。Bなりに、母親を徹底的に嫌いになれず、心のどこかでは、非常に彼女に心酔して・・・・、というジレンマが、私には透けて見えてしまうのだ。
私や夫は、母親にかなり干渉されて(ま、これも母親の愛とはいえ)育ったゆえ、こんな自由な母親がいたら・・・・・・、と考えることもしばしばあるが、逆にここまで自由で年齢を超越して少女のようにかわいい母親がいたら、自分達がどうなっていたか・・・・?と考えると、まったく結論を得られず(笑)。
さて、Bの唯一の母親への抵抗は、自分の仕事、つまりは雑誌やあらゆる広告媒体でBの写真が発表されようと、それを母親に教えない、という方法。MJ曰く、本当に写真を見せてくれないらしい。そして、普段は汚い古着を着ているだけの息子の姿しか見てない母としてのMJは、チャンスがあればプロフェッショなるとして活躍している息子の姿を見てみたい、というわけだ。
さて、そんな時に活躍するのが我が夫。前述したように、たまたま拾ってきた雑誌にBを発見。また、現在、我が家ではこの5年間の垢をキレイにするように、壮大な大掃除月間となっているゆえ、捨てる前に一度雑誌に目を通したりしている。すると、たくさんのBに出くわすのだ(笑)。
で、今回、それらの雑誌を取っておいてMJにあげた。彼女はたいそう喜んでいた。よかった、よかった。
MJ「私、息子のグルーピーなのよっ!!」と可愛らしく言う。
続いて、MJが私に言う・・・・・
MJ「Bはね、最近抜け毛が多いって悩んでいるのよ・・・・」
なるほど・・・・・・。さすがに、キュートで可愛いママンをもって、私達に想像できぬ別の意味での苦悩を抱えるBとはいえ、結局は子供の悩みを簡単に口にしてしまう、イコール、母親というのは子供を恐れていない、という態度がBに、ここまで彼の仕事を母親にみせたくないという徹底した態度を取らせているのだな、と妙に笑ってしまった。
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