ゼロの視点
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2009年01月28日(水) |
フランス風物詩・・・ |
4ヶ月ぶりにフランスに戻ってきた翌朝、私と夫は、友人JYの母君の葬儀のため、Saint-Germain-en-Layeに出向くことになった。Auber駅ホームに、ちょうど停車中のRER A線に、“こりゃ、ついてる、待たなくていいっ♪”等と思って飛び乗ったのが運のつき・・・・・。
車内にて、あとは電車が出るのを待っているだけの私たちの耳に、“この先のレールがぶっ壊れた云々とのことで、運行をとりやめる”、というなアナウンスが飛び込んできた。その瞬間、車内の人らが一斉に激しいブーイングをはじめる。
夫はアジテーター的に、“ふざけんな、国鉄ヤロウ!”と、ひときわ大きな声で言うと、別の方向から、それに応答するように、“ふざけんな、くそ公務員”などと罵声が返ってくる。隣の女性は、“レールが壊れたぁ?。そんなどうでもいい理由で、ただ電車を動かしたくないんだろうに!”と、怒りまくっている。
ううーん、わたしゃ、本当にフランスに戻ってきちまったんだなぁ、と、しみじみ実感・・・。人身事故で、しょっちゅう運行停止になりまくっている日本の首都圏・電車事情もさることながら、なんだかんだと理由をつけて、または全うな理由すらなく平気で運休する、フランス名物の電車事情に、思いっきり巻き込まれてしまい、しばし呆然・・・。
闇雲に電車から降りて、別のルートや手段で目的地に向かおうとしても、ただただ込み合うだけと夫を諭し、しばらくはホームで停車したままになっている電車内に残って様子をみることにしてみた。が、先ほどまでは、復旧に15分といっていたのに、少し前では50分かかるとアナウンスが変わってきて、今では見通しは全くつかない等という内容に変わり始めている・・・・・。
農耕民族じゃない夫は、じっと待つということが基本的にできない。かなり挙動不審になりはじめており、いらいらしはじめている。Défense駅からはSaint-Germain-en-Laye方向への電車が動き出したという情報をゲットした夫は、たとえ獲物が捕獲できないとしても、狩りにでていってしまうアホな狩猟民族性を多いに発揮させたいのか、ごったがえしていることが多分に想像できるDéfense駅に向かうと言ってきかない・・・・。
いつもだったらここで激しい口論に突入するゼロ一家なのだが、いかんせんパリに到着して24時間も経っていない私、時差ぼけのため去勢されたかように従順だったので、Défense駅へ向かいだした夫の3歩後ろをくっついていくことしかできなかった。
案の定、Défense駅に向かうために乗ったメトロ1号線自体が、すでにすごい混雑。来る電車来る電車、すでに人で満杯状態で、誰も乗ることができないありさま。ほーらみたことか!、と、例外的に従順とはいえ、私の怒りのボルテージもあがってくる。それでも、無理やり乗り込んで、どうにかDéfense駅に到着してみると、構内には人で溢れかえり、まったく身動きがとれなくない地獄と化していた。メトロ1号線から、RER A線のホームへ行くことすら不可能なのだ。
© AFP
ここで、息を吹き返したように、アグレッシブな性格の通常運転になった私は、《ここまであなたに市が立ってきてこの有様なんだから、ここからは私に従え!》と夫にむかい威張りだし、人をなぎ倒さんばかりに歩き出し、バスターミナルに向かってみた。
必ず、Défense駅からSaint-Germain-en-Laye方面行のバスがあるはずと信じていた私だが、さすがに乗り場がどこだかまではわからない・・・。あらゆる路線のバス乗り場ですら、人で溢れかえっているので、行き先をいちいち確認するだけで大変だった。
結局、Saint-Germain-en-Laye方面行のバス乗り場を見つけられなかったので、違うルートのバスに乗ろうと停留所で待っていると、その前をSaint-Germain-en-Layeと行き先を提示したバスが通り過ぎようとしているのを発見!。本能的にそのバスを追いかけるように、二人でしばしマラソン状態。300メートル以上、バスの速度で走ってしまっただろうか?!?!?!。
そして、ようやく目的地に確実に到達できるはずの乗り物にありついた私たちは、しばし車内でウトウト。その後、葬式会場に到着したものの、すべての式はとっくに終了していた。ちなみに、葬式の主役であった、友人JY自身も、この騒動に巻き込まれて葬式に間に合うことができなかった。
予定されている全国ゼネストは、明日の29日ということだったが、それを見越しての事故にみせかけたストライキ(=嫌がらせ)だったのだと、私は解釈しているのだが・・・、いかがなものか?。
ちなみに、私たちは、この行程を墓場にかざる花持参で動いていたのである・・・。花が潰れないように、色々な格好を無理して電車にのっていたためか、あとになって変な筋肉が痛いのがたまらない!。おまけに、だ・・・・、実は、JYの母は本日埋葬されるのではなく、後日、南仏の墓地に埋葬されるとのことで、その際に花が必要だったと後になって知らされたわけであり・・・・・。
あああああああああっ、夫よ、もっと事前にきちんと調べておいてよ、お願いだからっ!。
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