ゼロの視点
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2009年02月17日(火) 迷惑な外国人観光客

 昨年の秋に、夫と従姉妹H嬢カップルの4人で善光寺に行った時のこと。折りしも、七五三の季節ということで、参道から境内にかけて、華やかに晴れ着をまとった子連れ家族で溢れてかえっていた。

 『ほら、これが七五三といって・・・』と夫に説明しようと振り返ると、彼の姿はない。またいつものように七五三という行事をはじめて日本でみて、興奮してバッテリーが切れるまでアホのように写真を撮り続けに旅立ってしまった模様・・・・・・。

 自分の知っているありったけの日本語単語を口にし、数え切れない家族連れに話しかけ、ポーズをとらせたうえて写真を撮りまくっている夫・・・・。こういった時にうっかり近づくと、今度は写真撮らせてくれている人たちに私が質問攻めにされる羽目に陥るから、私は、遠巻きに他人の振りして彼らをチェックするのみ。

 『どちらの国のかたですか ?』,『日本語お上手ですね』、『おもしろい方ですね』、などにはじまり、『ご夫婦なんですか?』なんて、決して尋ねられることのないように、常に遠巻きなのだ、私は・・・・。

 きっと放っておけば、腹がすききるまで通る人、通る人を写真とりまくっているだろう夫。どこかで犬笛を吹いて、オッサンを呼び戻さないと・・・・・、ということで、日本人の耳にはペット犬の名前のようにしか聞こえない夫の名前を大声で呼んでみる。

 突如境内で、図体のでかい得体の知れない女が、『ポチィィィイイイっ!』と叫びだすと、その呼ばれている“ポチ”というのがどんなものなのか、ついついつられて探してしまう人がチラホラ。そして、私を取り巻く周囲に一瞬の静寂が訪れる。“ポチ”とやらがどこから出てくるのか?。

 皆がさりげなくアンテナを張り出したところに、オッサンが“やべぇ、ゼロに怒られる・・・”みたいな雰囲気をモロダシにしながら、私のほうへ向かって走ってくる。こんな光景を目の当たりにし、周囲の人々はポチが、“ただの変な外人”だったことを察し、彼らはまた自分たちの日常に戻っていった。が、私の“なんでもあり”な日常は引き続いており、善光寺本道内に入り、胎内巡りをしはじめた時のことだった・・。

 胎内巡り、または戒壇巡りとは、《瑠璃壇床下の真っ暗な回廊を巡り、中程に懸かる御本尊様とつながれた極楽の錠前に触れ、秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際、お迎えに来ていただけるという約束をいただく道場。(善光寺公式ホームページの説明より抜粋)、というシロモノ。

 私を先頭に、夫、従姉妹H嬢カップルらと続いて漆黒の闇の世界へ降りていく。何度もこれをやっている私とはいえ、久々の真っ暗闇に腰がひける。壁づたいにゆっくりゆっくりと歩いていくうちに、なんとなく足元が見えてきた。

 暗闇といえども、目が慣れてくると足元が見えるようになるのか?、と妙に感動しながら、また少しずつ進んでいくと、足元だけでなく壁の構造まで見えるようになってきた。そのうち、前を行く人の姿まで見えるようになってきて、『おおおおおっ、すごい、仏教の奇跡か??』と俄かに焦りだし、後ろをふりむいてみた。

 すると・・・・・・・・・、奇跡でもなんでもなく、夫が携帯懐中電灯をつけていたことが発覚。ご丁寧にも、最初は携帯からもれた光にはじまり、本格的に懐中電灯を探し出し点灯させていたらしく、ゆえに、徐々に色々なものがみえるような効果となった模様・・・・。

 そして私は、おお慌てで夫に注意する。が、夫、なぜか逆ギレ。「こっちのほうが歩きやすいじゃないか!」と。逆ギレする夫に、「暗闇を歩くことに意味があるんだ、ボケっ!」と、私がまたキレそうになったが、これ以上ここで喧嘩しても、ますます周りの人に迷惑をかけるだけなので、夫の耳元で、ささやきながらもきつーーく怒って、懐中電灯を消さるのに一苦労。


それにしても、迷惑だ・・・・・・・・・・この外人・・・・・・・。

ってか、築地のマグロの競り場で追い出される外国人観光客って、こんなやつらなんだろうとつくづく思ったゼロでした。



       善光寺で七五三♪



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