ゼロの視点
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バツ2で、二人の前妻の間に合計5人も子供をもつ、刑事コジャック似のJY。彼が2番目の妻と正式に離婚してしばらくたってのこと。長いこと、彼は妻と別居していたとはいえ、まだ自分の妻というつながりがきっと彼の中にあったのだろう。が、実際離婚してしまってからは、かろうじてつながっていたモノもプッツリと切れて、寂しさがつもる一方だった模様。
夜分遅く、ほろ酔いで我が家に電話してくる回数が増え、夫と二人で《あのJY,ちょっヤバイんじゃないのぉ?》などとよく言っていたものだった。
そんな彼に転機が訪れたのは、昨年の春のこと。出張で韓国行きを命じられ、はじめての極東アジア行きを喜んでいた彼は、簡単な韓国語会話などを暇があれば勉強するようになった。メトロの中で、会話集を片手に、つたない発音で韓国語を勉強していたら、彼の背後から笑い声が起こった。
ビックリした彼は後ろを振り向くと、どうにも哀れなJYの韓国語に、ほんまもん韓国人女性3人が、笑いをこらえ切れずに吹きだし、大爆笑している最中だったらしい。そこで、彼が彼女らに「じゃあ、どうやって発音したらいいか、教えて♪」と、オッサンなりのチャーミングな笑顔で甘えたところから、3人の中の一人の韓国人女性ASとただならぬ関係になっていった模様。
ASのおかげで、JYの韓国出張もより充実したものになり、それに比例するように、JYとASの仲も急接近。二人の出会いからちょっとたった後に、JYが私たちの家に、ASを紹介がてら連れてきた時には、二人はどこからみてもラブラブカップルになっていた。
その頃からか、JYが深夜にほろ酔いで我が家に電話してくるようなこともピタっとやんだ。ま、きっと夜は夜で、二人で忙しいんだろうね、ふふふ、とニヤニヤしていた私たちだった。
最初のうちは、彼女は仕事を持ち、自分のアパルトマンもキープして、週のうち何日か一緒に過ごすという関係だったのだが、あれよあれよといううちに、ASが職を失い、専業主婦然として、JYの家に住みつくようになっていったようになっていった。
たまたま彼女がいない時に、私たち夫婦で彼の家にいったことがあったが、彼のクローゼットの中に以前からは考えられなかったくらい彼女の服だとかバック等で溢れているのを、JYが見せてくれた。「こういうの、ボク、好きじゃないんだよね・・・・ほら、なんか占領されていくというか、さ・・」、と言いながら、アンタまんざらでもないんじゃないの?、などと思ってた私だった。
どうもAS抜きで、JYは私たちに会いたかった模様で。先日、ひっさしぶりにJYと私たち夫婦3人でランチをした時のこと。ムッシュー・自己矛盾と名付けてたいほど、矛盾ばかりのJY、相変わらずASのことは本当に愛し始めているけれど、専業主婦のように毎日、毎晩、ボクのことばかりに彼女が存在している生活が、キツイなどと私たちにお悩み相談。
「彼女のさりげなく言えばいいじゃん!」と、身も蓋もなく私がいうと、「そんなに簡単にいかないんだ」とか、もったいぶったことをJYは言う。彼のモットーが《パートナー等に、絶対本当のことなんか言う必要はない!》というだけあって、なんでもかんでも隠して、影でボヤイて、欺いてというほうが、このオッサンは好きなのだ。
あーーあ、胸糞悪いってか、おい、オッサン、都合が良すぎるんだよ、どアホ!、と意見したかったものの、そんなことを言いながらも、彼女のASが、筋金入りの《自分が欲しいものを着実に手に入れていく女性》だという気がしてならない私。
あとちょっとでもすれば、彼女がJYに結婚を迫り、正式な妻としてJYの日常に君臨してしまうかもしれない行く末を、とても見届けてみたい気がしてきた私。なので、敢えてなにもアドバイスも言わず、ニコニコ笑顔で、彼がどこまでドツボに嵌っていくのかを、じっくり観察させてもらうことにした♪。
なんでもかんでも人のせいで、人からは嫌われたくないゆえに、口先では言いことを言い続ける生活なんて、そんなに簡単に続かないんだよ〜ん、知ってた、JY?。ましてや、自分では、ASを追い出せないから、私たちを追い出し係に任命しようとか、そんな図々しいこと、考えてやいませんよね?。
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