ゼロの視点
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2009年03月26日(木) 変態村

 アンダーグランウンドコミックスを代表する、カートゥーン作家の、ギルバート・シェルトン(Gilbert Shelton)と、ロバート・クラム(Robert Crumb,)は、夫が尊敬する人物。そのうちの、ギルバートのほうが、本日パリの某所で、彼の原画展のオープニングカクテル(Vernissage)を開催。

 これに行くために、あらゆる用事をキャンセルしていた夫に、引き連れられるように、会場へ。会場には“baba cool”な人、もしくは“baba cool”だった人などがたくさん。で、もちろんネクタイしめてるような人がいないのが、あまりにもステレオタイプで、内心大爆笑。

 こういう人らに限って、意外に住んでいるアパルトマンの中に、ナポレオン3世風の家具とか置いちゃってそうな気がするのだが・・・。で、一見、サラリーマン風な格好で無難な雰囲気の人のほうが、家がかなり“baba cool”だったりするのでは、などと想像しながら、ひとり人物観察にはげむ私。

 夫は、とても無口でシャイなギルバート・シェルトンに色々と英語で話しかけている。ひとつ質問をするとゆっくり考えてからようやく一言を口にするようなギルバートに、あーだこーだとぺちゃくちゃ話しかける夫のツーショットをみてると、まるでイジメのようにすらみえてくる。

 片手に赤ワインもって、気分よくなりながらまだまだ人間観察をやめない私は、ふと“見覚えのある顔”にぶちあたった・・・・・。私は、視覚人間なので、とにかくちょっとでも見た風景や、人物の顔など、絶対に忘れないのだ。かなり雰囲気が変わっていても、たいていの場合、人物判定できるのがちょっとだけ自慢(←こんなことしか自慢できないのだが・・・・)。

 考えあぐねた挙句、その顔が、私の大好きな映画『変態村 (Calvaire/ Fabrice Du Welz監督2004)』のバルテルというオッサンの役を怪演じた、俳優 Jackie Berroyer様であることに気づいたっ!。ひゃーーー、強烈に感激♪。といことで、さっそく近寄っていき、彼に映画の感想をベラベラと夫のように一方的に伝えたあと、ツーショット写真とサインをねだってみると、こころよくOKしれたので、これまた感激。これを見ていた夫もやってきて、彼は、なぜかギルバートとJackie Berroyer様と夫の3人で写真に収まっていた。

 いやあ、それにしても本当に感激だ。デジカメと携帯の両方でツーショット写真をゲットしたので、さっそく映画『変態村』を一緒に見に行った友人へ、自慢の写メを送りつける。夜中の日本で、ふと携帯に送りつけられた一枚の写真に、あのバルテルが・・・・・・・。

 今からちょうど3年前の2006年3月、実家里帰り中の私のところへ、友人MF嬢が「変態村、という映画を渋谷のシネマライズでやってるんだけれど、ゼロさぁ、、いかにも、あんたが好きそうなタイトルだから、一緒に行かない?」と誘ってきたのがはじまり。

 季節は春休み中ということもあり、渋谷に地方から出てくる若者も含めて、人が少なめな朝一番の回にあわせて、その日は行動してみた。めったなことでは朝一で行動することのない私だが、映画『変態村』のためなら・・・、というわけだ。

シネマライズと思っていたら、その中のライズXが『変態村』上映館だったのにちょっと驚きつつ、道路に面したチケット売り場で、私が大きな声で「変態村、大人2枚くださいっ!」と嬉しそうに言うと、MF嬢が「ちょ、ちょ、ちょっと、声、大きすぎるよ・・・・」と、嫌がられたものだった。

 会場一番乗りした私たちは、列の一番前に並び、ひたすら館内に入れてもらえるのを待つ。ようやく入れてもらった館内は、な、な、なんと、昔、それこそMF嬢と仕事帰りに呑んだくれていたバーそのものだったことに気づいて、二人で大爆笑。

 2階席一番前に行くために上った階段や、壁紙など、本当に当時のバーそのままで、朝一で昔のようにカクテル注文しそうな気分になった。そして、ようやく映画がはじまると、なんと『変態村』という映画が、フランス語だということにビックリ。

 それ以前に、私が『変態村』という言葉のみに駆り立てられてここまで来ただけで、映画についていっさいの下調べもしてなかったことに、自分ながらビックリ。ストーリーはネタばれになるので書かないが、とにかく終始笑いっぱなしで、喉がかわき腹筋が痛るほどだった。そして、気がどんどん触れていく、バルテルというオッサン役をやったJackie Berroyer様の演技は、本当にあっぱれだった。

 そして、今年の2月はじめ・・・・。ふとテレビをつけると、この映画『変態村』がちょうどはじまるところだったので、さっそく夫を居間によんで、私のおススメ映画を彼に鑑賞してもらう♪。昔夫がお世話になった、ポルノ女優が出てたりして、最初のつかみはOKだったら、どんどんストーリーが混沌としてくる中、ちょっと引き気味なりながら映画を見ている夫。でも、バルテルのオッサン役は、いい味だしてると賞賛していた。

 こんな偶然とはいえ、事前学習があったゆえに、このヴェルニサージュで私がJackie Berroyer様を発見して、狂喜乱舞しているしている私と一緒に、夫もそれなりに喜ぶことができたのかもしれない。とても小柄なJackie Berroyer様、あなたに会えて、ゼロは本当に、本当に、嬉しゅうございましたっ♪。



             映画『変態村』での、Jackie Berroyer様



        シナリオ作家、カートゥーン作家としての顔ももつ、Jackie Berroyer様


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