「Symphony Orchestra Of SriLanka」(SOOS)のコンサートに行って来ました。こちらに来てうわさに聞いていたので聞いてみようとおもっていたのです。会場は「レディースカレッジ講堂」。ここはよく演奏会に使われるようです。しかし、その名前から昭和女子大人見記念講堂を想像してはいけません。普通の講堂で、窓を開け、扇風機をがんがん回しています。となりに座った男性は椅子の間隔が狭いといって文句を言っていました。
演奏曲目は、前半がエグモント序曲、ハフナー交響曲、後半が白鳥の湖から抜粋8曲、そして、若手ソプラノを向かえてラボエム「ムゼッタワルツ」ほか4曲でした。少し遅れていったのでハフナーの2楽章から聞きました。弦楽器は4−4−6−5−2の配置ですが、1stバイオリン4人では音量が小さいのでメロディが貧弱でした。全般にこの国らしい音楽だなと思いました。というのは、管・弦とも技術的にも音量的にも無理をしないので、音が濁ったり聞き苦しいところはないのですが、テクニックがついていかない部分はそれなりにやり過ごすのです。全体としては「ほのぼの」とした明るさに満ちているのです。
暑い国でのチャイコフスキーはやはり「暑苦しい」と思いました。「白鳥」では管楽器が活躍しますがこれも「ほのぼの」ムードでした。スリランカ空軍・陸軍・海軍の軍楽隊のトラが相当人数入っているようです。そんな中でトップチェロ奏者のソロは抜群の安定感と音楽性を発揮していました。先週から通い始めた私の先生なのですが、オーケストラがこういう人で構成されているとしたら大したものだと思っていたのです。その期待はあっけなく裏切られたのですが、そういう一部のすごい人がオーケストラ活動を裏から支えているのもこの国らしい姿だと思いました。
最後のソプラノ歌手の歌は楽しめました。最初の二曲はヘンデルとハイドンで少し堅苦しく歌っていましたが、後の二曲プチーニと「サマータイム」は非常に感情がこもっていて聞いていて気持ちがよかったです。プチーニではミミの期待に膨らむ気持ちを元気にそのまま表現していました。美人でスタイルの良い方なのでソプラノ界で活躍してほしいと思いました。
会場はほぼ満員でした。根強いクラシックファンがいるのです。しかしこの国にはコンサートホールはまだありません。海外から来るオーケストラは室内管弦楽団がせいぜいでホテルのボールルームでディナーショー形式でのコンサートが多くなるのです。
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