KENの日記
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2002年08月06日(火) 8月5日

8月5日は私の勤めているスリランカ通信会社と日本の通信会社のマネジメント契約満了の日でした。5年前のこの日、内戦が激しくコロンボ市内で爆弾テロが発生するような状況下において、スリランカ国の通信インフラの整備のため日本の通信技術経営ノウハウを活用するプロジェクトが始まったのでした。この5年間に当時30万に満たなかった電話契約数は70万を超え、通話サービス品質(故障率、通話完了の比率等)の大幅な進歩がありました。


5年目の今日、スリランカにおいては、今後の電気通信さらにはコミュニケーション産業の方向付けの模索が続いています。先進諸国の状況からは少し送れているとは言え、通信革命の波はこの国に押し寄せてきています。つまり、「従来の電話からモバイル通信・インターネットによるコミュニケーション」です。しかし、国民全体への普及は整備されたといっても、固定電話・モバイルあわせても人口普及率で「10%」前後の留まっています。国内における情報格差は広がる一方のような気がします。


今日朝のニュースでNTTコミュニケーションズが「IP電話」電話サービスを開始すると報道していました。IPネットワークを活用すると、従来の電話交換機による通信に比べて驚くほど低コストで通話サービスを提供することができます。技術的にはIPネットワークを活用することによって、国際電話料金も大幅に下げることができます。日本・スリランカも含めてそうした安価な国際電話サービスのブラックマーケットが存在するのも現実のようです。


こうした現実の競争に対抗して通話料金を値下げしつつ、スリランカ国内全般で通信インフラを整備していくことは、企業経営的にかなり困難を伴います。プロジェクト5年間が終了した後、どのような決断がなされるのか、また枠組みの中で、日本の経験をどのようにしたら生かすことができるのか模索が続いています。




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