2002年11月17日(日) |
ヒラリー・ハーンのブラームス |
8月に買ったヒラリー・ハーンのブラームスのバイオリン協奏曲(CD)を取り出して聞きました。これまで2回くらい聞きましたが正直言ってあまり印象が良くなかったのです。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、シェリング・ドラティー盤も持ってきているので、ハーンを取り出す機会はそれほど多くないのです。今日はステレオの音響を少し大きくして聞いてみました。
今日はとても気持ちよく聞くことができました。ハーンの音量はそれほど大きくなく、演奏も派手なところは少しもないのですが、完璧な音程が特に和音を奏でるときに響きを透明にしているのです。透明過ぎてすごさに気がつかなかったようです。こういう清純なブラームスはとても新鮮でした。心が洗われる感じがしました。ムローバとかケネディ、チョンといった熱演型のブラームスを聞いてきた経験から、ハーンの表現に物足りなさを感じていたのだと思います。
ヴァイオリン競争曲の魅力はもちろんソリストの演奏ですが、ブラームスに限ってはニ楽章のオーボエソロがとても重要な役割りを演じます。この主題の演奏しだいで全体の雰囲気を決定してしまうほどです。ハーンの伴奏はアカデミーセントマーチンとマリナーが勤めていますが、オーボエはハーンの演奏をよく理解した清らかな演奏です。この曲はブラームス45歳の作品です。ブラームスがどんな思いでこのニ楽章の旋律を書いたのか知りたいものです。
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