さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月06日(水) にゃん氏物語 桐壺09

光にゃん氏訳 源氏物語 桐壺09

源氏の君を帝は いつまでも子供として扱いたかったが 
十二歳の元服をさせる時がきてしまった
準備は 帝自身が指図して 東宮(第一子)の元服の時の
派手やかさに 負けぬように 華麗を極めたものでした
元服の髪切り 加冠が行われる 帝は少年の美を永久に
保存しておくのは不可能なのかと惜しまれた

加冠の大臣によって加冠は終わり 源氏の庭上の拝では
皆 小さい大宮人の美に感激の涙をこぼした
加冠の大臣には娘がいて 東宮から後宮にと望まれたのを
受けなかったのは 初めから源氏の君と一緒にしたいからである

帝の意向も元服後 世話をする人が必要だろうということだったが
源氏からは何も返事を聞いていなかった

酒盃を賜る時 源氏は歌を読んだ
『いときなき 初元結ひに長き世を契る心は結びこめつや』
(幼い私の初元結いを結うのに 行く末長い
 結婚を約束する心は結びこめましたか?)

大臣は驚いて返歌した
「結びつる心も深き元結ひに濃き紫の色しあせずば」
(元結に結んだ高貴な紫色がまだ色褪せないにもかかわらず)


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