さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月07日(木) にゃん氏物語 桐壺10(きりつぼ完)

光にゃん氏訳 源氏物語 桐壺10

その夜 源氏の君は左大臣家へ婿になっていった 
姫君の母は帝の御同胞で 帝の御愛子の源氏を婿に迎えたのだから
今までの右大臣(東宮の外祖父)の勢力は蹴落とされていた

源氏の心には藤壺の宮の美が最上のもので あのような人を
妻にしたいが そんな女性は他にはいないだろうと思う
左大臣の娘は大事にされて育った美しい貴族の娘だと認めるが
純な心で藤壺の宮だけが恋しくて苦しいほどであった

元服後は もう藤壺の御殿の御簾(みす)の中には 
入れてもらえなかった
琴や笛の音を彼女が奏でるんだなあと思い 
物越しにほのかな声を聞くだけで
その慰めに宮中の宿直(とのい)ばかりが好きだった

御所では 母の更衣が使っていた桐壺を 宿直所に与えられた
帝が命じて非常にりっぱなものに改築される 二条の院がこれである
源氏は こんな気に入った家に 理想通りの妻と暮らすことが
できたらなあと なげいて溜息ばかりでした

光の君という名は 鴻臚館(こうろかん:施設を接待する所)へ来た
高麗人が 源氏の美貌と天才をほめてつけた名と言われます


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