さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月09日(土) にゃん氏物語 帚木02

光にゃん氏訳 源氏物語 帚木02

「これなら完璧 欠点がない人が少ない と いうことに気がつきました
上っ面の感情で達者な手紙を書いたり こちらの言うことを 理解してる
ふりをする利巧な人はいるでしょうが それをいい所としても
合格点に入る者は なかなか いません
自分が少し知ってることで得意になって 他の人を軽蔑する厭味な女が多い
親が大事にして深窓に(家の奥深くで人目につかぬように)育っているうちは
一部分だけを知って 想像で補って恋をできるのですね 
顔が綺麗で 娘らしくおっとりとして 他に仕事がないのですから
一つくらい芸の上達が希望できる それで中に立った人がいい事だけ
話して欠点は隠すので それを否定するのは不可能でしょう
本当だと思って結婚した後 あらが出てこないわけはありません」

中将がこう言って溜息したとき 源氏は聞いた
『一つぐらい芸ができるとりえなんだけど それもできない人はいる?』

「そんな所へは初めから騙されて行きません 何もとりえがないのと
全て完璧なのとは同じくらい少ないでしょう 
上流の人は大事にされ欠点も目立たない この階級は別格 
中流階級によって はじめて 我々は鮮やかな個性を見せてもらえる
それから下の階級は 私にはあまり興味がない」

こう ツウを振りまく中将に 源氏はもう少し語らせたくなった
『その階級は区別はどうつけるのですか…』


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