さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月27日(水) |
にゃん氏物語 夕顔03 |
光にゃん氏訳 源氏物語 夕顔03
源氏の恋人の六条の貴女の邸は大きく庭なども世間とは別格でした 貴女も別格で もう夕顔を思い出す余裕はなかった 早朝は寝過ごして 日が差し始めた頃帰る源氏の姿は やはり世間に騒がれる位の美しさでした
今朝も五条の蔀風の門の前を通る 前から通り道だが あのちょっとした事に 興味を持ってから行き来のたびにその家が源氏の目につく
数日後 惟光が参上した「病人がひどく衰弱しているから 手が離せません」 と挨拶した後 源氏の君へ近づき 惟光朝臣(これみつあそん)は言った 「尋ねられた後 隣の事を良く知っている者を呼んで聞いてみたのですが はっきりしないのです 五月頃からこっそり来て住んでいる人がいるみたい ですが 誰なのか家の者にもわからないようにしています 時々家の間の 垣根から覗いてみると あの家には若い女の人たちがいるらしき影が見える 主人がいなければつけない裳を 言い訳程度でもつけているので 女主人が いることに間違いないです 昨日夕日が差し込んでいる時に座って手紙を 書いている女の顔がとても美しかった 物思いがあるようで 女房の中には 泣いているものもいました」 源氏は微笑み 詳しく知りたいようである
軽々しい事はできない身分だが この若さと美しさを持った人が恋愛に興味を もたないなどとは他人が見ても物足りない 恋愛する価値がない我々でも 女の事では好奇心があるのだからと惟光は主人を眺めていた 惟光は言った 「その辺から隣の秘密が解るのではと 機会を見て隣の女に手紙をやりました すぐに書きなれた達筆で返事が来ました できる良い若い女房がいるのです」 『なおもどんどん手紙を出せ それがいい 正体が解らないと気がすまない』 と源氏が言う 家は下流の下と品定めで言われる所だが その中から以外に 良い女が見つかればいいなあと 源氏は思うのである
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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