さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月28日(木) |
にゃん氏物語 夕顔04 |
光にゃん氏訳 源氏物語 夕顔04
空蝉の酷い冷たさを普通の女心でないと思うから考えるので もし思い通り になる女だったら気の毒な過ちをしたと もう過去の事にしてしまってる しかし 強く避けられるので反抗的になる こんなふうに考えながら源氏は 彼女の事を気にならない時はない これまで 空蝉クラスの女が源氏の気を 引くことはなかったが あの雨夜の品定めを聞いて全ての女に興味を持った
疑いもなく待っているあの娘を可哀相だと思わない事もないが 心乱さない 空蝉に知られるのが恥ずかしくて 望みがないと解るまでと そののままに しておいた そのうちに伊予介が上京して参上した 長旅で色黒くやつれて 野暮だったけど 家柄も良く 顔立ちも年をとっても整っていて上品である 任地の話をし始めたので伊予の温泉の話も聞きたかったが どうもきまりが 悪くて 源氏は罪の意識を感じる 真面目な男と向かい合ってやましい事を 思うのはよくないことだ 三角関係をつくるのが愚かであることを佐馬守が 言ったのは正しいと思うと 源氏は 自分に空蝉が冷たいのは恨めしいが 夫のためには尊敬する態度だと思うようになった
伊予介が娘を結婚させて 妻を同伴して行ってしまうという事は 源氏には 無関心でいられない もう一度逢いたいと子君に相談したが そんな機会は 相手が同意していても難しいのに 空蝉が源氏との恋を不釣合いと思い みっともない事はしようとはせず 源氏の思い通りにはいかないのです 空蝉はそれでも源氏から忘れ去ってしまわれる事も悲しいので おりおりの 手紙の返事などに優しい心を見せていた なにげない書き言葉に可憐な心が 込められていたり芸術的な文章を書いたり 源氏の心を惹くものがあるから 冷たく恨めしい人であり 忘れられない人になっていた あの娘の方は結婚しても思い通りになる女だと思っていたから噂を聞いても 何とも思わなかった 秋になった 源氏は初恋の物思いにふけって左大臣家に通うのも途絶えがち なので恨めしがられた 六条の貴女も恋し始めた頃よりも熱を上げる事が できなかった 貴女はものを深く思う性格でした 源氏より八つ上の二十五で 不釣合い なので いつすぐに愛されなくなる運命と訪れのない夜に悩む事が多かった
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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