さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年01月03日(金) |
にゃん氏物語 若紫17 |
光にゃん氏訳 源氏物語 若紫17
「宮様の邸に引き取ってもらうようとの事です 母上が生きていた頃 いろいろ酷い事をした奥様がいらっしゃいますから いっその事もっと 幼いか あるいは 何でも分かる年頃になっていればいいのですが 中途半端な年で沢山子供がいる中で軽く見られてはと 尼君も終始 それを心配していました でも宮邸では全くそんな問題がないそうで 貴方様が気まぐれでおっしゃってくれた事は 遠い将来はわからない けれども ご厚意とは受け取りますが 奥様になんて想像もしては いけないくらいの子供です 普通のあの年の子供よりも もっともっと 幼いのです」と少納言が言った
『そんなことは どうでもいい 私が繰り返して言っていることを どうして無視しようとするのか その幼稚な人を好きでたまらない それは前世の縁です 自分で自分を見てもそう思う 認めてくれて この気持ちを直に女王様に 話させてください
あしわかの浦にみるめは難くともこは立ちながら帰る波かは 若草にお目にかかるのは難しいけれど 和歌の浦に寄せた 波のように このまま立ち帰る波とするだろうか いやしない 私を甘く見てはいけません』 源氏が どうどうとして言うと
「それは本当に勿体無いと思っているのです 寄る波の心も知らで和歌の浦に玉藻なびかんほどぞ浮きたる 和歌の浦に寄せる波に身をまかせる玉藻みたく 相手の気持ちを よく確かめないまま従うのは頼りない事です この事だけは信じられない」
いい馴れている少納言の応対ぶりに 言われても不快に思わない 『年を経て越えざらん逢坂の関』逢わずにいられようかなどと古歌 などを口ずさぶ源氏の美声に若い女房たちは酔いしれた 女王は今夜も祖母を恋しがり泣いていたが 遊び相手の童女が 「直衣を着た人が来てる 宮様が来ているのでしょう」というので 起きてきた「少納言 直衣を着た人は どこ 宮様ですか」と言い 乳母のそばに寄ってきた 声が可愛らしい 父宮ではないが 深い愛情を持ってくれている 源氏なので心がときめいた 『こちらへいらっしゃい』と源氏は言った
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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