さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年01月10日(金) にゃん氏物語 若紫24

光にゃん氏訳 源氏物語 若紫24

源氏は二日三日御所に出向かず 姫君を手懐けるのに一所懸命だった
手本にまとめるつもりの文字や絵を色々書いて見せる 皆美しかった

『知らねどもむさし野と云へばかこたれぬよしやさこそは紫の故』
武蔵野と言えば何か言いたくなる 紫:武蔵野の柴草だから仕方ない
という歌を紫の紙に書いたよいものを姫君は持って見ている 小さい字で

ねは見ねど哀れとぞ思ふ武蔵野の露分けわぶる草のゆかりを
まだ根は見ない(寝てない)けど愛しく思う 武蔵野の露を分け進む
のが難しく逢いかねている紫の柴草:藤壺の ゆかりの草のあなたを
(たった一株の紫:柴草があるため武蔵野の草は全部愛しい歌から)
と書いてある 『あなたも書いてみなさい』と言うと「まだ書けない」
と見上げながら言うのが無邪気で可愛いから 源氏は微笑んで言った

『上手くなくても書かないとよくない 教えてあげるから』
身体を小さく丸めて字を書こうとする格好も 筆の持ち方の子供らしさも
ただ可愛いと思う気持ちを 源氏は我ながら不思議に思った
「書き損じた」と言い恥ずかしがって隠すのを 無理に読んでみた

かこつべき故を知らねばおぼつかないかなる草のゆかりなるらん
ぐちを言われる理由がわからない 私はどのような柴草のゆかりでしょう
子供の字だが将来が楽しみなふっくりとした物でした 亡くなった尼君の
筆跡に似ていた 今風の手本を習ったら もっと上手になると源氏は思う
人形遊びも 屋根つきの御殿をいくつも作らせ 若紫と遊ぶのは 源氏の
物思いの憂さ晴らしに 一番よい方法だった

大納言家に残った女房たちは兵部卿宮が来た時に挨拶のしようがなくて
困った しばらくは世間に知らせるなと源氏の君も言ったし 少納言も
同じ考えだから 堅く口止めされている それで少納言がどこかに隠した
ように申し上げた 宮はがっかりした  尼君も宮邸へ姫君が移る事を
とても嫌がっていたから 乳母の出過ぎた考えから素直に嫌わずに
勝手に姫君を連れ出してしまったのだと思い 宮は泣く泣く帰った
『もし 居所がわかったら 知らせてくるように』と言った


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