さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年01月11日(土) |
にゃん氏物語 若紫25(わかむらさき完) |
光にゃん氏訳 源氏物語 若紫25
宮のお言葉を女房たちは心苦しかった 宮は僧都の所にも捜させたが 姫君の行方は分からなかった 美しい幼い姫君の顔を思い出して宮は 悲しんだ 夫人は姫君の母をねたんだのも長い間に忘れていき 自分の 子供として育てるのを楽しみにしていた それが叶わず残念に思った
次第に 二条院の西の対に女房たちが集まってきた 若紫の遊び相手の 子供達は 大納言家の子は若い源氏と遊ぶのを 東の対の子は美しい 姫君と遊ぶのを喜んだ
若紫は源氏がいない日の夕方などに尼君を想い泣いたりしたが 父宮を思い出す様子もなかった 最初からたまにしか見かけない 父宮なので 今は第二の父と思う源氏に馴れ親しんでいた
外出から源氏が帰って来る時は 誰よりも先に迎えて 可愛らしく色々な 話をする もう懐の中に抱かれても 少しも嫌がったり恥ずかしがったり しなかった こんな変わった関係での親しさがここでは見られるのでした
大人の恋人としての交渉はいろいろな段階がある ちょっとしたことで恋がだめになるんじゃないかと自分で不安になったり 女は 年中 嫉妬しがちになってくる それで 他の人への恋に心奪われるようになったりもしてくる
だけど 姫君にはそんな恐れはまだない ただ可愛くて心の慰めである 娘であっても これくらいの年になれば 父親はこんなにも身近に世話を することはできないだろうし 夜も同じ寝室に入る事は許されないだろう
そう考えると こんなに面白い関係は他にはない そんなふうに源氏は思っているようでした
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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