さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年01月12日(日) |
にゃん氏物語 末摘花01(すえつむはな) |
光にゃん氏訳 源氏物語 末摘花01
源氏が夕顔を失った悲しみは 年月が経っても忘れる事ができない 左大臣家の夫人も 六条の貴女も うぬぼれが強く他の愛人に対して 嫉妬が強いので 気難しく扱いにくい それに対して源氏はあの自由で 気ままに付き合えた夕顔だけが恋しく思われるのでした
なんとかして あまり知られていないが可憐で世間的に気兼ねしない女を 見つけたいと性懲りもなく思っている 少し評判のある女にはすぐ興味を 源氏は持つ 近づいていきたい女にはまず手紙を送る それだけで女の ほうから好意を表してくる 冷たい態度をとってくる人がいないのは 源氏はかえって がっかりする
条件通りであっても 物を知らなすぎる あるいは物を知りすぎていて 源氏に対して うぬぼれた態度をとっても 自分自身で身のほど知らず であったと反省して他のつまらない男と結婚してしまう 話しをかけたまま やめてしまうものが多かったのです
あの空蝉が何かの折りに思い出されて 心から尊敬したりするのです 軒場の荻の葉へは時々手紙を送られることもあるでしょう 灯影に見た時 美しい顔だったことを思い出すと情人としておいてもいい気がする 源氏は一度でも関わりがある女を忘れて捨ててしまうような事はなかった
左衛門の乳母と言って 源氏からは大弐の乳母の次に大切に思う女の 一人娘は大輔の命婦といって御所勤めをしていた 王氏(皇族)の 兵部大輔である人を父に持つ 多情な若い女であるが源氏は宮中の 宿直所では女房として扱う 左衛門の乳母は今は筑前守と再婚して九州へ行っているので 父の 兵部大輔の家を実家として女官を勤めている 常陸の太守だった親王 (兵部大輔は子息)が年をとってからできた姫君が孤児になっている それを何かのついでに命婦が源氏に話したら気の毒に思い詳しく尋ねる
「どんな性格か器量は私はよく知らないのです 内気なおとなしい方で 時々 几帳越しに話しをします 琴が一番の友達扱いです」 『いい事だ 琴と詩と酒を三つの友と言うのだ 酒は友には駄目だが』 こんな冗談の後で源氏は『私にその女王の琴の音を聞かせて欲しい 常陸の宮は そういう音楽が上手らしいから 平凡ではないと思う』 と言った 「そんなふうに思いになって聞かれる価値があるでしょうかどうか」 『思わせぶりをしなくてもいいじゃないか このごろは朧月夜がある そっと行ってみる あなたも家にいてくれ』源氏が熱心に言った
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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