さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年01月15日(水) |
にゃん氏物語 末摘花04 |
光にゃん氏訳 源氏物語 末摘花04
二人とも 行くあてはあったが 冗談をいいあって別れる事ができずに 一つの車に乗って朧月夜の暗くなった頃 左大臣家に来た 前駆の先払いもさせず こっそり入ってきた 人の来ない部屋で直衣に 着替えて 知らん顔して 今来たように笛を吹き合いながら入ってくる その音を聞きつけて左大臣が 源氏に 高麗笛:雅楽の高麗楽などに 用いる高音の横笛を持って来た 源氏は得意だったのでおもしろく吹いた 合奏のために琴も出され 音楽の上手な女房たちが選ばれて弾いた
琵琶が上手な中将という女房は 頭中将に想われていたがそれは断り たまにしか来ない源氏にはすぐになびいてしまった 源氏との関係はすぐ ばれてしまって 最近は左大臣の夫人:内親王も中将を快く思わない それを悲しみ仲間から離れて物陰で横になっていた 源氏が見られない 場所に行ってしまうのも寂しくて思い悩んでいる
楽器の音の中にいながら 貴公子二人は荒れた邸の琴の音を思い出す ひどい家も ちょっと変わってて面白いと思い いろいろ想像する あの可愛く美しい人が ずっと寂しく年月を送っている時に自分が情人に なったら 愛に溺れてしまうかもしれない それで世間の評判になったら ちょっと困るだろうなと こんなことまで頭中将は想像する 源氏が軽い 気持ちであの邸を訪問したわけでないのは確かと思うと 先を越される かもしれないのは悔しい 自分の望みも叶わないように思われた
その後二人の貴公子が常陸の宮の姫君へ手紙を出したと想像するのは たやすい しかしどちらへも返事がない 気になった頭中将は ひどいな あんな生活をしている人は 物の哀れが解からなければいけないはずだ 自然の木や草や空の眺めにも心を合わせて 面白い手紙を書いてくれ なければならない 自尊心があるのはいいのだけど こんなに返事を よこさない女には反感が起こるなどと 反感を持ちいらいらする 仲がいい友達だから頭中将は隠さず源氏に話しをする
「あの姫君から返事はきますか 私も手紙を出しましたが何も無い」 想像通り 頭中将は もう手紙を送っていると思うと源氏は可笑しかった 『返事をそんなに見たいと思わない女だから来たかどうか知らない』 源氏は頭中将をじらす 返事が来ないのは同じだった 頭中将は 源氏には返事があり 自分には返事がないと悔しがった 源氏は深く思わない女の冷たい態度が嫌でほっといておく気でいたが 頭中将の話を聞くと 口上手な中将に女は口説かれてしまうだろう 女は得意げになり 最初の求婚者など ふってやったという形になれば 見下げられるので じれったくなってきた それで大輔の命婦に頼んだ
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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