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贋物 - 2002年08月01日(木) 世界的に有名な画家なのど作品には よく贋作などがある。 オリジナルの作家の筆致や構図をそのままに模写して 更には 書かれた時代にあった混ぜ物を油絵の具に混ぜ込んだり 意図的に下書きをかき潰し その上に模写をしたりなどして 入念にマガイモノを作るようだ。 しかし どんなにオリジナルに近づけようと どんなに 丁寧にオリジナルを写したとしても 贋作にはオリジナルの持つ輝きのようなものがない。 それと同じように 人にも 本物と贋物がある。 マガイモノは 往々にして 本物の中に紛れている。 偽物の中にあったのでは それがマガイモノだと一目で 感づかれてしまうから。 だからマガイモノは 本物のなかに潜み込む。 贋物という言葉の意味の中に 「見せかけだけで内実のないもの」という解釈がある。 人における贋物とは まさにそのこと。 では 本物の「人」とはどのような人をさすのか。 私が思うには 「階段を一段飛ばしなどせずに 着実に一歩一歩のぼってゆく人」。 自分の目的に向かい ひたむきに努力することができる人。 そしてそのことにより何らかの結果を得ることができた人。 その目的とはひとによりけり。 で、此処まで至って、私という人間はつくづく贋物だなと厭になる。 本物ぶっているだけで、一皮剥けば、なんにも残らない。 虚飾に長けただけの嫌な女だなと思う。 贋作作家たちは 決してスキルが無いわけでない。 オリジナルに限りなく近いまでに模写するその腕があれば 素晴らしい作家になれるやも。 そう。 贋物たちでも 自分らしい輝きをみつければ 本物に一瞬のうちに生まれ変わることができる。 でも、なかなか自分らしい輝きってのを見つけるのが難しいんだなあ これが。 。。。と 美しいドビッシーのピアノの演奏を聴くたびに ひしと感じる 私でありました。 ...
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