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霊長類 ヒト科 にんげん - 2002年09月16日(月) 京都市美術館でメトロポリタン美術館展が開催されているというので それを見に行ったついでに 京都市動物園にも行ってきた。 京都には しばしば訪れるのだけれど この動物園に入園したのは はじめてだった。というのも 関西には他にもいくつかの動物園があり 比較するとすれば この京都市動物園は規模の小さいものであるので なんとなく 動物園としての選択肢から外してしまっていた。 とはいえ そこには どこの動物園とも劣ることのない動物達が やっぱりいつも「陳列」されている。 私は動物園というものが 結構 いや 随分好きで 動物園となるとわくわくしてしまう。 そこには 私たちとは余りにも姿の違う動物達が居てくれて 目の前で 餌の食べ方や 飛び方 吠え方なんかを披露してくれる。 私は動物がとても好きだし 動物だからとか 人間だからとか そういう区別は余り好きでない。 だから 動物園という概念がとても好きでなくて あの狭い囲いの中に閉じこめられて「陳列」されている動物達をみると とても哀れに感じてしまう。 それはそれとして その多種多様な動物達にあえるから 私は動物園に訪れるのがとても好きだ。 檻越しに ライオンに話しかける。 彼らは多分私の声が聞こえているのだろうけれど そういうアクションには慣れっこになっているのだろう。 檻の前を右から左 左から右へと 落ち着くことなくうろうろと 歩き続けて とどまろうとせず 象は怯えた目を こちらに投げ掛けながら 上手に鼻を使ってくるくると 草を巻き込んで口へと運んでいた。 カバはときおり 見物人に自分の糞を投げつけるらしい。 注意書きが記してあった。 トラはこの夏に肝腫瘍でなくなったらしい。可哀相に。 彼らは狭い檻の中に いつからか閉じこめられて 限られた生活をして もう 二度と 広い草原を 思いきり走ること 青い空を 思いきり高く飛び交うことなど ないのだろう。 そう。私たちの目に晒されるためだけに。 そんな中 ひとつの興味深い檻があった。 その檻の中の動物への説明書きにはこう書いてあった。 「霊長類 ヒト科 にんげん」 その檻の向こうは公園になっていて 休日の家族連れが 楽しそうに戯れていた。 なんだか 粋だなあ なんて思いながら 動物も人間も 同じ動物園の敷地の中で 同等として扱われ 陳列されていることに 自分もヒトでありながら 小気味よく感じてしまった。 ...
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