流れる水の中に...雨音

 

 

明け方のドライブ。 - 2002年11月02日(土)



まだ 夜の明けやらぬ薄暗い時間に 彼と車を走らせていた。
明け方の街は 夜のきらびやかさを失い
曖昧な時間の闇の中にひっそりと無口だったし
立体高速脇の工場地帯も 昼間の脂ぎった気配を感じさせすに
やっぱり しじまの中で 無機質になってた。

前にひらけるのは 曲がりながら先へと続くコンクリートの細い橋。
右手にはまだ暗い海が広がっていた。


次第に空が 明け行く気配を感じながら
風を入れ ただ 前へ前へと 早すぎるスピードで
走り続けていた。


夜が明けるのに 追いつかれてしまいそう と呟く彼に
さあ わからないわよ と答えた私。

もしかしたら 彼ならば いや このスピードならば
夜明けに追いつかれることなく 走り続けられるかもしれない。


いや それは無理だろう と答える彼。

だって1時間に15度しか移動しないのでしょう?

15度ってどれほどの距離があるかわかるか?と彼。

地球の直径はどれほどあるか覚えているかと尋ねてきた。
12000キロと答える私。

12000×約3=36000
36000÷24=1500!

1時間に1500キロ。
1時間に1500キロの距離を移動しないと 追いつかれてしまうと
彼は淡々と説明した。
運転しながら 淡々と。


そっか。無理か。といいながら
まだ明けてない西側の空を眺めていたけれど
それでも彼はただひたすらに飛ばし続けた。


次第に明るく成り行く空を眺めながら たわいもない話を交わし
何処までも続く立体高速を風を切りながら 走り続けた 或る明け方。







...




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