![]() |
雨の音だけが聞こえていた - 2003年02月11日(火) 冷たい雨が降ってた 如何わしい繁華街も雨にくぐもり 車が傍を走り抜けるたびに 私の冷えた足を濡らした 傘をさしながら君がいうのは 余りにも冷たい言葉だったけれど 雨に凍えた私には もうどこにも沁みなかった 何処かにある暗闇に仕舞われてしまった 体が震えていた 冷たい雨に濡れた体の 体温も情熱も奪っていった 冷えた体を前に歩かせるのは 思考を持たない私の足と 顔のない君の腕ばかり 冷たい雨を避けるように 何処かに入った 肩にまわされた腕に 温度などなく 破れかぶれな私のさまに お似合いだった 雨の滴がパールのように 染み込むことなく ぽろりと零れ落ちてた 濡れた髪を拭っても 何一つ 乾いたりなど しなかった 私の顔にも 表情などなかった 冷たい雨は そんな私を 綺麗にしてはくれずに 雨の音だけが聞こえていた ...
|
![]() |
![]() |