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人魚 - 2003年03月11日(火) 脚があることが重要であったわけではなくて なのに 私は何かの所為にしたくて この脚ではないヒレの所為にしていた きみのために私はたぶん 何も見えなくなっていて それは 本当に大切に抱きしめてくれるひとの言葉さえ 心に届かなくなってた 言葉で気持ちをつたえなくても きっと きみとおなじこの二本の脚が たぶん きみの優しさをこちらに 注がせる魔法と信じて だから私は ルール違反と重い代償すら その本当の重さにだって 気付かなくなってた きみが本当の事に気付かないのは 本当のことを見ようとしなかったから たぶんそれは 本当のことなど大切ではなかったから なのに私は脚ではないヒレの所為にしていた だけど私に何が出来たのか ヒレを脚に変える以外に 何が出来たのか 泡となってしまう以外に 何が出来たのか 悲しい物語のヒロインが 尚悲しいのは 選択肢があるようで 実は無いこと 突き動かすのは運命か それとも 哀れな女の性か ...
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