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能面 - 2003年04月23日(水) 能面打ちをはじめて半年たったのだけれど ようやく一つ 面が完成しそうになっている。 小面なのだけれど 最後の毛描きと手入れが済んでいないが もう十分に小面の表情をしている。 面というのは不思議なもので 人の顔をしているものだから 今 壁に簡易的に掛けているのだけれど 目が合うたびに話しかけてしまう。 ペットを飼っている人ならわかると思うのだけれど 無意識に言葉を投げ掛けてしまうのだ。 そんな私をみて旦那様は 「ペットなら まだしも..」と閉口のご様子。 だけれども やはり愛おしい。 今 美男子の男面を制作し始めている。 私の先生から見本として 完成した先生の面を借りて それを見ながら 自宅で少しずつ制作しているのだけれど 先生がその面を手渡すときに 「あまりに男前だから この面ばかり眺めすぎて 旦那ちゃんが 焼きもちを焼かないように 気をつけてね」と 言ってたけれど たかが面に感情移入なんて と思っていたが 自分の打った面は格別なようだ。 人形には創った人の魂が入っていると よくいうけれど 今までそんな言葉など信じたことが無かった。 だけど自分で創ってみればわかるものだ。 人形には創った人の魂が入っている。嘘ではない。 だから 人の顔形をしたものは 容易に手に入れるものではない。 今も壁に掛けた面と向きあいながら これを打っている。 彼女はやわらかく微笑みながら こちらを見下ろしている。 彼女の半開きの唇から 今にも言葉が溢れてきそうだけれど 彼女がいま 話はじめたら 何を言いだしそうか見当がついてるから そのまま黙っていてねと いう感じ。 美しく穏やかな表情をした彼女のモデルとなった女性は どんな人生を送った人なのだろうと思い馳せている。 ...
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