流れる水の中に...雨音

 

 

タンザナイト - 2003年06月13日(金)




彼を訪ねて 研究室にある男性がきた。
とても流暢な日本語を話すタンザニア人研究者だった。
実験についての質問だったらしいけれど
やはりいきなり人種も背格好も違う人が現れて
彼も戸惑ったようだった。


「で、なにか話した?」ときくと
「いや、実験のことだけ。時間もなかったから」と彼。
どうやらしばらく通ってくることになりそうだ というので
じゃあ また機会があればタンザナイトの話でもして御覧よ といった。


タンザナイトというのはアフリカのタンザニアで採取される石。
紫ががかった透明感のある青い石で 1960年代に
タンザニアで発見されて ティファニーによって
世に広げられた石だ。
キリマンジャロの陽が暮れてしまったあとの空の色に
とても似ていることから「タンザニアの夜(タンザナイト)」と
名付けられたそうだ。


母が好きで 手に入れていた。
角度によって 紫にも 青にも そして何かの具合で
赤い色にも 見えるような 不思議な石だ。


いえいえ。
私はその石の話をすればいいとおもったのでなく
その美しいタンザニアの夜に差し掛かったときの
空の色の話をすればよいなと思ったのだ。
その彼も 祖国の夜の空の美しさを問われたら
きっと郷愁もあいまって 嬉しいだろうなと思ったから。


朝まで雨が降り続いていたけれど
昼にはやんで晴れ間もでたけど
湿気を随分孕んだ 不安定な空。


今日の夜の空の色はまさに
タンザナイトのように

紫がかった透明感のある青さが一面に広がっていた。


タンザニアの夜の写真



...




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