流れる水の中に...雨音

 

 

蝋燭。 - 2003年08月02日(土)




蝋燭が消えかかっている。

白く長かった蝋燭は 赤い炎を揺らめかせ
酸素をだき込んでうねっていて
時折 黒い煤を巻き上げながら
煌々と燃え盛ってきた。

時の流れは残酷にも
蝋を溶かし 炎に流れ込み
そして次第に短くしつづけて。

風が強く吹く夜は
炎は風に靡いて 振り乱れ
小さく息を潜めていた。

小雨の降る朝には
炎に刺さる小さな水滴さえも
怯えて肩をすくめていた。

そんな度々の夜も朝をも繰りかえして
もう 疲れ切ったみたいに
裾を長く大きく広げて
蝋燭は 崩れかかっている。

軸は横に折れ曲がり
炎は幅を広げて
まさに 最後の勢いを増すかのように
沈む陽の夕映えのように
煌々と大きな炎は
燃えて そして

小さくなった。


「疲れたなあ」って 

ひっそりと 呟いてた。






...




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