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ペットでいさせて。 - 2003年08月25日(月) 都合の良い話ではあるが 誰か私をペットのように飼ってくれないかな。 首輪をつけられて綱で繋がれるのは御免だけど 私はきみだけの所有物でよいから。 「妻」なんて身分は私には相応しく無い。 「妻」でいるには 私は余りにも無力で あまりにも不道徳で あまりにも身勝手だ。 きみが私を眺める時 私は 首をかしげながら 軽くしっぽを立たせて きみの足元にまとわりつくから。 きみが私に手を差し出した時 ざらりとした舌できみの指を撫でるから。 私は きみとほんの少しの時間だけ共有して きみはきみの好きにすればいい。 私はきみの身勝手な退屈しのぎの玩具になるから 私をペットでいさせて。 きみが私の名前を呼べばすぐに きみのもとに駆け付けて きみの足元に跪く。 きみの眠るくぼみの横で 私は小さく丸くなって しっぽを体に巻き付けて。 だから。 私の言葉など通じなくてもよいから 私を理解などしなくてよいから きみはきみのままでよいから 私は私の空を泳ぐペットでいさせて。 ...
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