2006年08月24日(木) |
2年後に知った風雅な「お間違い」の |
「お笑いポポロ」(麻布台出版)という雑誌があります。 簡単に言うと、もともとあったアイドル誌「ポポロ」のお笑い芸人版で、 3年前の7月に創刊されたようです。 1・4・7・10月の7日に発刊という季刊誌ですが、 「お笑い」という性質上、まるでこの世に存在しないがごとく、 見事にスルーされている芸人さんもいる反面、 その時々の旬の(というかブレイクしそうな)芸人さんに 注目している人にとっては、 一般誌のインタビューやテレビのネタ番組では知り得ない情報も多く、 ミーハーな感じの装丁とは裏腹?に、 そこそこ読みごたえがあるのではと思います。
その雑誌の恒例企画の一つが「芸人ハヤリモノスタイル」で、 毎回、人気若手芸人20〜30人の お菓子、漫画、花、丼、ファッションなどのテーマを決め、 おすすめやハマリ物を写真・コメントつきで紹介しています。 思い入れたっぷりに答えている感じの人もあれば、 絶対まじめに答える気ないな、このオッサンは、という人もあり、 (若手芸人と言っておきながら、オッサンよばわりもないのですが、 ザ・プラン9のお〜い!久馬氏なんかがそのタイプなので) 興味がある人のものはもちろん、さしてない人のものも、 気がつくと、隅から隅まで読んでいます。
2年前2004年の7月7日発売分で、 「好きな花」というテーマがありました。 世の男性がみんな、 柳生真吾さんや假屋崎省吾さんみたいなわけではないので、 そうバラエティ豊富に花の名前が出てくるわけではなく、 「桜」「ひまわり」「バラ」など、 いわゆる誰でも知ってる花が優勢でしたが、 中で、陣内智則さんの答えは興味深いものでした。 「現物は見たことがないが、 尾崎豊の歌に出てくるワスレナグサ」
お〜、いいねえ。 尾崎のその歌は知らない(当時まだ聞いたことがなかった)けど、 ワスレナグサは私も好きな花だよぉ。 「白いきれいな花」という陣内さんの想像は間違っているけど、 でも現物見たら、もっとその歌が好きになるんじゃないのかな ……と思ったら、 そこに使われていた写真は、 どう見てもオレンジ色の山百合でした。
一体、編集段階で何が起こったのか知りませんが、 どうやら何かの手違いがあったと見えます。 ただ、わからないのは、 「ユリ」の名前を挙げたアンジャッシュ渡部建さんとこの写真は、 ごく普通の白いユリなのです。 テーマ「花」に限らず、同じものを挙げた人のところは、 同一の写真を使うのが普通だったので、 どうしてここだけコレなのが、さっぱりわかりませんでした。 まあそれ言ったら、陣内さんが「ユリ」と言ったわけでもないのですが
というようなことも、 すっかり忘れていたまさに昨日夜、 寝床に就いて、 「朝日世界の文学 万葉集特集」を読んでいたら、 見覚えのある花の写真に、 「え」というキャプションがついていました。 「万葉の植物」なる項で、 「なでしこ」「はぎ」「つばき」等にならび、 一目でユリの仲間とわかるオレンジ色の花のところに、 「わすれなぐさ(やぶかんぞう)」と 書かれているではありませんか。 おいおい……と思ってよく見たら、 わすれなぐさ、ではなくわすれぐさとなっています。
ここですべてがつながりました。 どっかの段階で、 「ワスレグサ」と「ワスレナグサ」を読み(聞き)間違えたか、 写真を差し込む段階で混同が起きたか、 どっちが真相かはわかりませんが、まあ、そういうことでしょう。 間違いではあったけれど、 何となく趣ある間違いではないですか。 ちなみに、「万葉の植物」では、 「わすれぐさ」の上に「むらさき」が紹介されていました。 お節介解説…ワスレナグサはムラサキ科の植物 これは奇しくもなのか、敢えてなのはわかりません。
ウェブで調べたら、ユリ科の属の一つに 「ワスレグサ」というのがあることと、 ピンク色のワスレナグサもあるということを知りました。
何だか書いているうちに、こんがらがってきました。
※植物の名前は基本的に片仮名表記ですが、 「万葉の植物」に載っていた植物名は、 載っていたときのままの平仮名表記になっています。
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