・テレビのグルメ(B級含む)情報紹介の中で しばしば使われる、「気になるお味は…」的フレーズ ・コーヒーのドリップパックの封を切る瞬間 ・「あんた友達いないでしょ」という言葉に 何がしかの攻撃力があると信じて疑わない手合い ・デザインそのものはダサいことは十分わかっているが、 かわいいロゴの入った四つ穴ボタンが使われたエプロン (スーパーで500円〜1,000円) ・どうやらかわいいと思わなければならないらしい、 「かわいい風(ふう)」に描かれた動物のイラスト入り各種グッズ ・安かったけど冷えていないジュースを大量に買ってきて、 冷蔵庫にゴロゴロ入れる音 その他いろいろ。
上記の箇条書きは、私の「生活の中のひっかかり」です。 もっとも、ひっかかりにも二つありまして、 「気になるお味」(別に気にならないしー)、 「友達いない」(「余計なお世話」を絵に描いたよう) 「かわいい風」(ははは…笑うしかないや) この三つには「イラッ」という意味でひっかかり、 ドリップパックの封、ダサいエプロン、ジュース缶には、 「うふっ」と、うまく言えないのですが、 「なんかいいんだなあ」と、 目を細める瞬間を味わわせてもらってます。
映画「アメリ」の中で、 キャラクターの人となりを端的に紹介するのに そうした「ひっかかり」「好き嫌い」を うまく利用していました。
人の営みは、「イラっ」と「うふっ」の積み重ねですが、 たまに、何でそれにひっかかるのかが 自分でもわからない事象というのもあり、 それはそれで、わからないままにしておくのが一興でしょうか。
何でこんなことを書く気になったのかといえば、 今朝ラジオで聞いた話が、ひっかかってしまったからです。
トラブル続きの後に経営破綻した 例の英会話教室の創設者の話でしたが、 「外国人に英語で何か尋ねられ、 答えられなかった残念さがきっかけで、 英会話教室を開いた。 あのとき答えられたら、友達になれたかもしれないのに」 人の考え方はいろいろなので、 こういう発想は発想で別にいいと思うんですが、 それに対するアナウンサーの発言が、 ざらっとひっかかってきました。 「最初はこんな純粋な気持ちだったのに…」
これって純粋なの? 私にはどうにも理解できませんでした。 だってこの人、 その辺の日本人のおっさんやおばあさんに何か尋ねられて 答えられなかったときも、 「ああ、あのとき答えられたら、友達に…」 と考えたのかな? 多分、「否」でしょう。
だって、一々そういうふうに思う人なら、 もっと別な商売に走るか、 そもそも「友達候補」から金取るなんてとんでもないから、 商売そのものをする気がしなくなるか、 どっちかでしょう。
外国人だったから(同性か異性かはしらんが) 友達になりたかったんじゃないの? それも英語で話しかけてきたってことは、 結構な確率で白人、欧米人だったはずです。 それって十分な下心なんじゃないかと思います。
どころか、相手が誰であれ、 「友達になりたい」という発想そのものが 下心といえなくもありません。
その証拠に、例えば周囲に未知の人ばかりのとき、 この人と友達になりたいなぁと思う人を見つけたら、 どうしますか? 「友達にならない?」とか持ちかけてみて、 とりあえず、褒めるとこ捜したり、 自分と共通の趣味を探したりして、 会話上はしばしイエスマンに徹し、 親しくなってきた頃、 やれ今日の髪型は変だの、 あんたのその癖、どうにかならんかだのと、 遠慮会釈なく言うようになる…という経緯をたどる人が ほとんどではないでしょうか。 最初にケンカをしかけて怒らせてという戦法をとる人も 少しはいるでしょうが、 メグ・ライアンが出てくるコメディーじゃないんだから、 そうそううまくはいきません。
そして↑友達になりたい人の行動として 書いたつもりのこれですが、 「恋人」「ステディ」に置きかえても、 全く同じことをするんじゃないでしょうか。 (やや駆け引き的な要素も入りましょうが)
で、誤解のないように言いたいんですが、 そういう「下心」って、何一つ悪いことはないと思います。 人を傷つけまいという心遣いとか、空気を読もうとする努力、 人間関係を支える大事な要素です。 純粋→まっすぐ→自分の気持ちばかり先走ってしまい→自爆 ↑こういうルートよりは、何倍もマシです。
くだんのアナウンサーは、「純粋」なる言葉を 特に深く考えずに使ったに過ぎず、 一々ひっかかっている私の方がおかしいというのは よーく心得ているつもりです。 が、ひっかかっちゃったもんは仕方ない。
そんなわけで、友達がいない=性格が悪いという意味で、 悪意を持ってこの言葉を使う人が信用できません。 世の中、友達を持つのに向いていない人というのが、 少なからず存在するのです。 ……あ、私か。 (そして私は、自分の性格の悪さを認めません) とはいえ、この日記をチェックしてくれているらしい 遠く離れた(または案外近くの)友人たちには いつも感謝しています。 「誰かしらは読んでくれているし、 ひっかかってくれているはず」 という下心に突き動かされ、ちまちま書いてます。 そもそも純粋に書きたいだけだったら、 チラ裏がお似合いだしさ。
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