2008年03月15日(土) |
「魔法にかけられて」 |
「魔法にかけられて Enchanted」を見てきました。
しかし、この邦題は一体何なんでしょうか。
直訳すれば、「魅了されて」「魅せられて」って感じですか。 語呂のよさからいえば、圧倒的に後者にすべきですが、 同じようなタイトルの映画が既にある(と思う)のと、 35歳以上の人(例によって区切りはテキトー)にとっては 白いドレスを着たジュディ・オングが歌っているところを 思い起こさせるのが悪かったのでしょう。
少し前、どっかのメーカーの玄関置きコロンのCMで、 誰だか忘れたけど、かわいらしい娘さんが 「いい玄関になろう」と最後に一言言うのがあったけれど、 あれ以来の違和感です。 正しくは「きれいな玄関に「しよう」」だよね。 そして、「魔法をかけられて」とか「魔法にかかって」が 文法的に正しく、据わりがいいはずです。
下の娘が楽しみにしていたし、 折りよくレディースデーも利用できたので、 とにかく見にいってみました。 あと1、2年待てば、CSのディズニーチャンネルで 放送してくれそうですが、 ほかならぬ、そのディズニーチャンネルの宣伝攻撃で 娘の「見たい見たい」が日々膨らんでいっていたのでした。
結論からいうと、 タイトルなんかどうでもいいと思える作品でした。 いい意味でも、あるいは悪い意味でも。 とにかくもう、ひたすら楽しく、色が美しい。 そして、人には現実感覚もロマンチシズムも大切なんだと 思い起こさせる、ちゃんとツボを押さえた映画です。
ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」を 思い出しながら見ました。 ……と、ちょっと気取って言いたいところですが、 実際、井戸に突き落とされた乙女ジゼルが 現代のニューヨークに迷い込んだシーンで真っ先に思い出したのは、 千原兄弟のコント「無常の儀」でした。 (ちなみに、これの↑中で、俗世に憧れる貴族?の次女を 演じていたのは、今を時めく“世界のナベアツ”こと渡辺あつむです)
大筋のところは、CMを見れば大体わかりますが、 細かいところで、なかなか笑いどころも多いと思います。 NYの路上で接触したサラリーマンに、 ジゼルが「まあ、おこりんぼさん!」と呼びかけるシーンなど、 こうして書くと、物すごく間延びしているんですが、 よくよく考えると、ギリギリアウトのジョークでした。
おとぎ話から抜け出たという導入部の設定より、 むしろ終盤の方がずっとおとぎ話的だったのも印象的です。 そして、「末永く幸せでいられるといいね」と、 よき人々の幸福を心から祈りたくなります。
たっぷりと映画を楽しんで、さて帰ろうとするとき、 娘にピンクのお姫様ダイアリー(鍵付)750円をねだられ、 ついつい買い与えてしまいました。
人は観光地に行くと、ふだんは見向きもしないようなものを買い、 家に帰ってからがっかりするという傾向にあります。 観光地に行ったときと、劇場で映画を見たあとは、 精神状態がよく似ているのでしょう。 まだ上の娘が小学生だった頃、やっぱり映画館の売店で、 750円どころか、その10倍ぐらいするマフラーを ノリで買い与えたことがありました。 メガネとツートンのマフラー(エンブレム入り)がベストマッチの、 にっくき魔法小僧のせいです。
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