みちる草紙

2002年07月08日(月) ワードローブは

『メイ子さーん!ちょっと』「はーい。何かご用でしょうか〜(。・。・。)ノ」

社長に呼ばれて行ってみると、パーティーの招待状をポイと手渡された。
『悪いんだけどさ、僕それ急に行けなくなっちゃったから行ってきて』
「はぁぁ?(-o-;) ア、アタシがですか?」『うん』「えーっσ(-o-;)」
『社長が来れなくなってすみませんって謝っといてくれる?
 で、お茶の水先生と水道橋先生(いずれも仮名)にはよーく挨拶してきてね。
 T国ホテルだから歩いても行けるけど、遅刻しちゃダメだよ。6時だよ』

「えーっσ(-o-;)」のところでアタシは既に、思案を巡らし始めていた。
参ったなぁ…いきなりぱーちーなんて言われても、一体何着て行こうか。
あのスーツは…あれじゃもう暑いだろう。もう1着は小さくなっちゃったし(泣)
あのワンピースは普段着っぽ過ぎる。あのパンツスーツは…あれも7号だ(もう無理)
あ、あの白のなら… そうだ先日食べこぼしてクリーニングに出してたんだ(-。-;)
という訳で、仕方なく会社帰りに服を買って帰ることにした。予想外の出費である。
「着て行くドレスがない」と泣いていたら見知らぬお婆さんが現れて、服やら靴やら
果ては御者付きの馬車まで出してくれたという、あの子が全く羨ましい。
アタシ、日頃の行いはいいんだけど、知り合いには吝嗇家しかいないから…。

行きつけのブティックに、閉店間際に駆け込んでスーツを物色していると
いつもアタシをカモと見なして寄ってくる店長が、今日もいそいそと近付いてきた。
毎回試着もしないでゴッソリ買って行くから、手のかからない上客なのだろう。
『あら〜今日も遅いのね。あ、これね、今日入ってきたばっかりのやつ。
この襟がいいでしょ。2着あったのに、1着はさっき売れちゃったのよ』嘘つけ。
『あ、そのスーツなら、このスカートも合うわよ。インナーはこのストライプの
なんか組み合わせるとほら、ぐっとしまるでしょ』黙っているとどんどん持ってくる。
「その柄、今穿いてるのとそっくりだし、似たようなの2枚あってもしょうがない」
『まあそう?じゃあこれは?こういうの嫌い?』「台形のは子供っぽくてやだなぁ」
『あら相変わらずハッキリ言うのねぇ。だからこちらも助かるわ』イヤミかそれは…。

正直言って大して気に入るのがなかったのだが、今ここで何か調達せねば明日に
間に合わないので、背に腹でサテンのスーツを1着買った。予算オーバー(-_-;)
『あなた、いつも決めるの早いのねぇ。私なんかそんなパッパと選べないわ』
「本当はもっとゆっくり見たいんだけど、この時間でしょ。品定めの暇ないから」
『もうちょっと早く来られるとねぇ』「出来ればそうしたいんですけどね(~_~;)」

しかし…明日はこのタイトなスーツを着込み、まず自転車こがなきゃならないとは。
馬車とは言わないから、せめてホテルまでタクシー乗っちゃダメかなぁ(貧乏ベンチャー)。


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