みちる草紙

2004年10月24日(日) 瑞穂の国の悲劇

『新潟県中越地震』と命名された、昨夜の地震のニュースで各局もちきりである。
多くの人が病院に担ぎ込まれ、自家用車の中で夜を明かした人も多いという。
秋は深まり、しかも日本海側とくれば、深更は恐らく骨身に沁みる寒さ。
被災地付近の病院の医療従事者は、一度にドッと押し寄せた患者への対応に追われ
医師も看護婦も、それこそ寝ずの治療にあたっていることだろう。

病院のスタッフも県内在住であろうから、その家族も当然ながら被災しているに違いない。
しかしこのような状況下で、他の勤めならまだしも、医療に携わる以上
刻々増え続ける患者を放り出して我が家に駆けつけることは当然許されず
彼らは果して、家族の安否だけでも確認出来ているのだろうか。

家屋倒壊、土砂崩れ、道路陥没、新幹線脱線、そしてライフラインの寸断…
見るも無残に潰れた家々の映像に、人々の無念と恐怖は察して余りある。
ただ、神戸の時のような、火災による被害の拡大がなかったことが救いである。

この災害がもし、あの国で起きていたら。
もし日本が、発展途上の貧しい国だとして、また阪神地震のような過去の教訓がなく
あらゆる物資が欠乏し、救援システムが全く整備されていなかったとしたら…。
迅速な支援救助と復興がなされ、被災者たちがせめても
「日本国民で良かった」と思える、可能な限りの対応を政府に望む。


 < 過去  INDEX  未来 >


[“Transient Portrait” HOME]

↑みちる草紙に1票
My追加