みちる草紙

2004年10月28日(木) 一路湯河原へ

外来の予約時刻は11時。今朝は6時半に起床し、7時半に家を出た。
日帰りの予定ではあるが、万が一に備え、紋次郎の餌を多めに入れてやる。
「もんや、いい子でお留守番してるんだよ」
やつはひとっ走りしたそうであったが、さすがにかまってやる余裕はなかった。

それはちょうどラッシュの時間帯。久しぶりに満員電車に揺られ、息切れがした。
品川から新幹線で熱海まで行き、東海道線の各停でひとつ手前の湯河原に戻る。
毎回思う、通院というよりは小旅行と呼ぶに相応しい遥かな道のり。
病院の送迎バスは出た後だったので、路線バスに乗り病院前で下車、急坂をてくてく登る。
退院したのは猛暑の盛りだったが、今では抜けるような秋空の下、吹く風が冷たい。

院内はいつになく静かで、驚いたことに、普段は大混雑の待合室が今日はガラガラ。
そしていつもなら必ず誰かしら知った顔に出会うのに、今日に限って誰も見なかった。
また、予約時刻の30分以上前に受付を済ませたにもかかわらず
診察室に招じ入れられたのは、漸く12時も間近になってからであった。
今日は医師の数が少ないのだろうか。新潟へ応援にでも駆り出されているのかしら?

『骨はもうついていると思うよ』 X線写真を見ながら主治医が言った。
「本当ですか?」
『うん、足はちゃんと動くね?ちょっと見せてくれるかな。ほぉ〜優秀だねぇ』
ブーツを履いてあの坂を登ってこられるほどなのだから、歩行に問題のあろう筈はない。
『ただね、スクリューを抜いた時に当然穴が開きますから、その部分だけ一時的に
 弱くなるんだよね。だから抜釘は…骨が充分強くついた、術後1年くらい、ということで。
 手術の翌日から歩けるようになるから、今度は入院も4〜5日で済むよ。
 ただ抜糸が2週間後だからねぇ。おうちが遠いから、それまで入院してもらってもいいけど』
「うーん…。それは、またその時に考えます」
次回の診察日は再来月、12月15日と申し渡される。

手術後2週間、サツマイモ色にむくみまくった抜糸直後の足。筋状の内出血も。
腫れがひどいため、足首の曲げ伸ばしが全く不可能だった頃。病院のベッドにて。
    

現在、縫目を指で撫でると、スクリューの頭がぽこぽこ指先に感じられます。
ケロイド体質なのか、依然みみずのような傷跡が赤く残っています。自宅のこたつにて。
    

ここまではるばるやって来て、まっすぐ帰るのも何だか勿体無い気がしたので
手土産を買い、入院中紋次郎を預かってもらったお宅に寄ってそのまま一泊してしまった。
もん、ごめん。お母しゃんは明日帰るから、もう少し待っててねm(__)m


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