みちる草紙

2004年11月24日(水) 紋次郎、ハゲる

子供の頃、“因幡の白兎”のおはなしレコードが家にあった。語りは中村メイコ。
ワニザメを騙して毛皮を剥かれた白うさぎが、大国主命に救われる話である。

大国さまの言うとおり きれいな水に身を洗い
蒲の穂綿にくるまれば うさぎは元の白うさぎ

うららかな小春日和の今日も、紋次郎を田端のうさぎ病院に連れて行くことになった。
理由は、ハゲ …(-_-;)
一昨日、右肩辺りに突然出現した直径4cmほどのそれを発見した時は
ビックリしたが、露出した皮膚はうすい桃色で、まだすべすべしていた。
ところが昨日になって見ると、もんが気にしてしきりに舐めたり掻きむしったりしたせいか
血が滲み、瘡蓋ができていて、赤剥けの肌が見るからに痛々しい。

…何だろう?疥癬かな?
ケージ内は神経質なくらい清潔に保っているつもりなのに。
患部を真水で洗い、蒲の穂綿をしいて寝転がらせておいてはダメだろうか。

やれやれ、こないだはどうにか事なきを得て、安心したと思ったら…
内心ウンザリしながら、それでもかわいいもんの健康には代えられないので
キャリーバッグに詰め込み、またしても1時間余かけてはるばる北区の病院へ。
今回体調はさほど悪くないものだから、人の気も知らず道中暴れたおしていたハゲうさぎ。

『この位置からして、注射の痕が気になって引っかいちゃったんでしょうね』
「やっぱりそうですか。万一ダニだったら嫌だなと思って連れてきたんですが…」
『注射の痕はよく揉んだんですが、ちょっと刺激が強いので、多分そのせいだと思います。
 一応、ダニの検査もしてみましょうね』
医師は、セロハンテープでもんの身体のあちこちから毛を取った。

『ダニはいませんでした』 ああ良かった!(^_^;)
『それで、塗りぐすりを出そうかと思ったんですが…』
「あ、それはすぐに舐めちゃうので、効き目がないと思います」
『ですよね。エリザベスカラーをつけてもいいんですが、紋次郎ちゃんにとってかなり
 ストレスでしょうから、上半身だけの洋服を着せてみるのもいいかも知れませんよ』
「…いや… もんは、リードもさせてくれないヤツなので…(-_-;)」
『じゃ、やっぱり飲みぐすりにしましょう。抗生物質と痒み止めを出しておきます』

待合室には他にも順番待ちの客がいたが、他のうさぎたちはおとなしくしているのに
もんの入ったキャリーだけが、ソファの上で引っくり返りそうにドスンバタン揺れる。
「これ!」
もんはこの前と違い、何か怒り狂って、中でさんざんエネルギーを爆発させていた。
ハゲは自傷行為によるものか。こいつめ、結局何でもなかったみたいだなぁ。
本日の治療費、3,200円なり。

家に帰り着き、もんをケージに移すと、そのまま倒れ込むように眠ってしまった。
もんや、お母しゃんは疲れたよ。


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