『 hi da ma ri - ra se n 』
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「 シンプルに生き死にしたかった 」

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2002年05月03日(金) 「百年の満月−2」

1999年2月、スペインにて雑記 ��


「天気輪」


 うみのそとへ行く。


 そらを過ぎてみたら、そこはとても晴れていた。
 金属のかたまりが翔んでいる。
 はじまりの一日は、ずっと続くひるまだった。


 二重のガラスをぶち破ってそとへ出たら、きっとほんものの青が見える。



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1999年春のはじめ、
それは
あなたをこの国に置き去りにして
スペインという国まで、ヒコーキで飛んだ日。

がちゃつく空港、
英語と日本語とよくわからない言葉の
通路を歩き回るフライトアテンダントのにこやかなほほえみにぎこちなく目をそらす。
思いのほか狭かった座席、扉という扉はしっかりとかたく閉じられて
鉄のかたまりの、
飛翔。

高度1万4000メートルの空、

空。

空。

とうめいな青。

東へずっと向かうときは
ひたすら「昼間」が続くんだとはじめてあたしは知りました。
ずっと続く昼間、
いつまでも青い空の中にいられる。
雲の上にいつまでも晴れきった
うっすらと透明な青から見続けられないほど深い青へと次々につながる
ただただ青いグラデーションのなかにまるごと染まって。

西へ行こう
西へ。


ときたま、ずっと向こうのほうを
反対側へと飛んでいく同じようなヒコーキが見えました。
その物体はたぶんいろんな色をしているはずなのに
みんな、太陽のひかりを反射してぎらりと光ってまっしろに見えた
ひとつのこらず。

ひろくて透明に青い大気の中を行く
ひとりぼっちのちいさなその白いひかりに
あたしはものすごく親近感をおぼえ、
いとおしいとさえ感じました。

ちっぽけなひかり

ただ、自分の足元に敷き詰められた航空会社のロゴ入りの絨毯と
その下に広がっているであろうたくさんの機械や金属や
それからあたしたちとともに運ばれる荷物、コンピュータ、
それはどうしても愚鈍に思えてならず
あたしの足元は、
どうしても、どうしても、たよりなく。

窓に貼りついて
ただっぴろく青に満たされたこの距離をとびこえて
向こうにひかる、あの小さな白いヒコーキのところに
行きたかった。


「かぎりなく青くとうめいなスペクトル」


そこは酸素がなくて
水がなくて
切れるように冷たい風の吹く場所だと
知っていても
あるいは、
知っているから

そのなかを
あのちっぽけなひかりと並んで
飛んでいきたい。


強烈にそう思いながら。


「Fish please.」


ぎこちなく、ほほえみながらあたしははじめての言葉を口にしました。




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  「どうせ飛ぶなら身ひとつで飛びたい。」



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 Message:

  読んでいただいてありがとうございました。
  もし何か、こころのどこかに引っ掛けてもらえたなら、
  投票ぼたんの数字ひとつぽちんと、
  あたしにください。

  その向こう側にある見えないことばをあたしは貰って、
  次のあたしを作っていくんだろうと思います。
  たぶん、
  いろんなものに躓きながら。



  どうぞお元気で、

  おだいじに。



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