『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年05月06日(月) 幕間:自分の血を流さないために。

きょうは、
閑話休題。
臨時。
スペイン旅行記をおやすみします。
始めたばかりのくせに何を言うか!(≧▽≦)
と呆れている自分もいることはいるけれど
とりあえず、本当の夜中に目を覚ましてしまった今日は
あのまぶしい太陽の下に自分を晒せるような心持ちがもてないから。
もっとずっとうしろぐらいことにふさわしい心境で
あたしはココに生まれてしまったらしい。


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「自傷の誘惑に駆られているときあなたは何をしますか?」


  真夜中に目が醒めた。
  おかしなものに頭からぱっくり食われていた
  これは、不安かな
  それとも何かが怖いのか
  なんだろう。


気がつくとあたしは刃物を探しています。
どこかを切らなくてはと思っています。
なにがなんでも傷つけなくてはと
背中を押されるみたいに。
自分のなかなら、何ものかを絞りひねり出すみたいに。

そしてあとで思い返そうとすると、
記憶がありません。

気がつくと細い線から肌ににじみ出てくる赤い液をながめているじぶん。
気がつくと表面張力でぷっくりとふくらんだ赤い球をみつめているじぶん。


ああ、おかしいな
きずがふえている。


そうならないために今このことばを書いています。
たとえばキーボードで両手をふさいで縛るように。

夢想。

じぶんのからだのなかを
ながれているのが
このあかい液体ではなくて
とうめいな水であったなら
どんなにいいだろうと
思います

ただ思います

たとえば涙みたいな。


黒ずんだ血液ではなくとうめいなものにたぷたぷと満たされていたら
どんなによかっただろう。



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夢を見てしまいました。
隠されていた夢を。

それによって何かを知ってしまったとか
新しい隠された一面を晒してしまったとか
精神的に混乱してしまったとか
そういうことは一切なく、劇的なことばは一切うまれず、
ただ漠然とそこにある逃げられない事実としての

男の人に襲われるじぶん。

そういう夢をみました。
逃げ出して
絶叫して
泣いて
助けを求めて
それでも何も起こらず
そして「夢と気づけた」。

にもかかわらず

ふたたび、みたび、よたび、「夢」にひきずりこまれて繰り返す
走り出すあたしの体、切り離された感情、
無感動な出来事。追いすがる何か。
循環する悪い夢、悪い思考、
走る体から分離したあたしのひとみが空の高みから
泣きわめいて逃げ出そうとするあたしを見ていて
そのこころには何もうつらない。
だから、あたしのこころは誰にも傷つけられない。
誰も触れないのよ。
そう言わんばかりの、切り分けられた「あたしたち」の夢はふしぎなくらい無感情です。
劇的な行為にちっとも見合わない心の揺れの停止。

恐怖は恐怖じゃなく
怯えは怯えじゃなく
かなしみはかなしみじゃない。

あたしのこころは微動だにしない。


そしてやっとのことで「目を覚まして」
なまみの体に触れ、気がつく
なにかを切り落としたいという欲求にまみれている身体。


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男の人が苦手であるということをあたしは知らなかった。
だって、男の子になりたかったんだもの。
女の子はきらいだったんだもの。

なりたいのにおそろしく
苦手な生きものであるということに気がついたのは
いつだったかな。
いつだったかな。

「そんなことはどうでもいい、掘り返しても傷口を広げるだけ。」
精神科というところのお医者はそう言った。
「自分の体験と、感情を、言語化するのはとても大切なこと。」
けっこう好きだった大学の先生はそう言った。

いろんな人がいろんなことを言います。
どれがホントウか、あたしにはわかりません。
あたしの心に届いてくる「ホントウの解釈」を
教えてくれる人も、いません。ただ、


自分を求める腕、を
あたしは望んで止まない。
あなたを求める腕、を
あたしは止められない。

「手、つなぎたい。」

それと同時に、あるいはそれ以上に強く
あたしを求める腕、を
あたしは拒んで拒んで拒みつづけて、止まない。

いつまであたしはあたしに向かってのばされる腕に怯えているんだろう。



     だけど。



  あたしはとめられない
  あなたをもとめるこの手を
  あなたへとのびようとするこのこころを

  (TAICHI-KIKAKU:山川草木悉皆成仏)




  わけもなくあたしを捉えて離さないことばの群れの、ひとつ。




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Message:

 まったくの真夜中の、
 ヒトリゴト。
 もしも読んでいただけたら、どうもありがとうございました。
 こんなことでも何かひっかかることがあったなら
 投票ぼたんひとつ、あたしにください。

 今日一日を一緒に過ごしてくれた人たちに感謝しつつ
 それでも「以前抱え込んだなにか」を
 払拭できていない自分にうっすらと腹立ちをおぼえつつ。

 おやすみなさい。



 どうぞお元気で、

 おだいじに。



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