怖い
怖い
となりのだれかの眠る音
あたしのつめたいからだの温度
鈍い頭痛と、再生する皮膚 けずりたてた爪のあと 些細な夜の一秒を削った 赤い三日月、肌に飾って
あたしはあなたにあいたいな あえる?あえない? どちらもきっとかわりがないよ ただ このときをふたりとも別々にいきて 生き残ってゆけたなら、きっと 会える日がきて そうでなければ二度とない 小さな望みは大それていて 手に余るかしれない、、、と 危ぶみながら
あたしは息を吐き、息を吸い 荒れるしんぞうを飼い馴らす あるいは、そう努力するから、だからどうかかみさま お門違いかもしれないけれど この、おなじ夜を生きてるあのひとが、あのこが、どうかどうか 今、あたたかな夢にくるまれていますように あしたがどうぞ 彼、彼女たちにとって 刺草の痛みを、着せかけませんように
ねむれない宵に やさしい音を やすらかな音を
そうしていつか 目のさめた視界あふれるくらいの 青空を、やわらかな風を匂いを うつくしいと笑う声が そのくちびるからもれでるように
あたしたちの 絶望を知った、と かんちがいを信じてしまう、前に
どうか
どうか
この、怖さを 突き抜けて取り外した その先の場所に
早朝
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